最近、ネコ好きの間で流行っていることがありまして。「濡れた歯ブラシ」でネコの毛をブラッシングすると、喜んでくれるらしいんです。
なんでも、濡れた歯ブラシでブラッシングされることで、ネコは「子どもの時にお母さんから毛づくろいをされている感覚」を思い出すんだって。
たしかに、気持ち良さそうだなぁ…
このネコちゃんも、気持ちいい〜って顔してる。
「流行に乗って、濡れた歯ブラシでうちの子をブラッシングしてみた。お母さんを思い出すんだって」
か、かわいい…!
見てるこっちまで幸せだよ…。
「はあ…天国だ…」
「濡れた歯ブラシに、本当にそんな効果があるの?」獣医のハンター・フィン先生に聞いてみました。先生いわく「可能性は間違いなくある」そうです。
「実際のネコの気持ちは分かりませんが、濡れた歯ブラシでブラッシングされることによって、子どもの時に母親から毛づくろいをされた感覚を思い出すことはあると思います」とフィン先生。
「子ネコが大人になって自分1人で出来るようになるまでは、通常母ネコが毛づくろいをします。特に、頭や首のあたりを重点的に。そのため、飼い主がブラッシングをする時は、ネコたちにとっては飼い主が母親、少なくとも仲間のように感じられるのでしょう」
「最後に頭を下げてきた…ママを思い出させて寂しくなったかな」
「多くの歯ブラシにはナイロンの毛が使われています。猫の舌には『糸状乳頭』と呼ばれるザラザラした突起物が無数にあり、完全に一緒ではありませんが、歯ブラシの毛の感覚と非常に似ていると思われます。これらの糸状乳頭が、ネコたちの毛づくろいなどに大きく役立っているんです」
一方、ロサンゼルスを拠点に活躍する獣医のマックス・エマニュエル先生は、この考えに疑問を投げかけています。
「私たち人間はネコと会話はできません。なので、ネコたちが本当に母親から毛づくろいをされていると感じるかどうかは分かりません」
「しかし、たとえその考え違っていたとしても、ネコにとって心地よい刺激をもたらしてくれるのは確かです。私たち人間がメッセージのやりとりを楽しむように、ネコたちは毛づくろいを楽しみます。社会的行動の一種です」
嬉しいことに、フィン先生もエマニュエル先生も「歯ブラシを使って毛づくろいをすることは、ネコに対して害にはならない」とは同意していました。
エマニュエル先生は、次のように話しています。
「ネコにブラッシングをするなら、もっと効果的な方法はたくさんあります。しかし、ブラッシングされながらリラックスしているネコたちの顔を見たいなら、自分のお気に入りの歯ブラシを捨てるくらいの価値はあるかもしれませんね」
ネコの毛並みを美しく健康に保つ方法については両者とも、ネコ自身で毛づくろいができることを前置きした上で、飼い主による定期的なブラッシングやバランスの取れた食事の提供、また年に一回の健康診断を挙げました。
濡れた歯ブラシでブラッシングされるのが好きな子もいるけれど、どのネコにも個性があることを認識することが大切だと、ハンター先生は付け足しました。
「TikTokで流行っているからといって、ネコたちのボディーランゲージを勘違いしてしまえば、引っかかれたり噛み付かれたりされてしまいます」
「ネコがストレスを感じている時は、以下のサインがあります。瞳孔が開いている、耳が後ろに倒れている、脚を体の下に入れてしゃがんでいる、しっぽが下がっている、パンチをする、唸り声や威嚇の声を出す、などです」
またエマニュエル先生は、電動歯ブラシは使わないように呼びかけています。
「電動歯ブラシはブラッシングには使わないほうがよいでしょう。もしブラッシングに歯ブラシを使う場合は、普通の歯ブラシを使い、優しくするように」とのことです。
1つ言えるのは、気持ち良さそうな顔をしているネコちゃんたちの表情を見るのは最高だってこと!
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:吉谷麟
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