見てきた。全然面白くはなかったが総合的に考えて君の名は。よりは面白かった。君の名は。は都会に憧れる三葉目線が多く都会高校生瀧クンにベタ惚れという立場関係だったが今回は東京に来た帆高の立場が下からスタートし自称含む年上の女性におんぶにだっこという状態だったので、胸が強調されるシーンで「どこ見てるの」と言われたりと、前作に比べて新海誠の気持ち悪い男女観が見られたのが良かった。
細かいつっこみからすると、身分証なしで東京来るんだったら新宿なんか行かずに山谷でも行ったほうが日雇いの仕事ありそうだなーとは思った。わざわざ新宿に来るのは地方民ゆえの無知か、あるいは作品としての都合か。
全体的なミュージックビデオっぽさは君の名は。よりもなく、そこまでうるさいとは感じなかった。ただ最後主人公が空に行って一緒に落ちてくるシーンはめっちゃくちゃうるさくて死ぬかと思った。相変わらず盛り上がるシーンでデカいBGM流されるのは苦手。
田端のあの辺を選んだのは東京の下町っぽいところで3年後の世界で海に沈まないという理由か?新宿周辺の都心部以外も使うのは割と新鮮だったし、山手線の東側は中高の生活圏だったので懐かしさがあった。

というわけで本題。まず、新海誠の系譜として、どれも恋愛ものであるものの、秒速や言の葉のラストは男女が結ばれなかったが、その後の作品である君の名は。では最後に男女が結ばれる。これによって(結ばれる以上の展開はないため)男女の出会い→会うために奔走→結ばれないor結ばれるという構図には区切りがつき、今回はそれとは違った展開になるということは容易に予想された。結果的に本編では最初の出会いの後自由に会うことができるという点で今までと異なっており、予想通りである。
言の葉の庭、君の名は。などでは出会いの場が特殊なものとして設定されており、それぞれ雨の新宿御苑、黄昏時の山頂が該当する。その系譜でいえば今作では日常空間がそのまま出会いの場になっており、その意味でセカイ系の成立条件を満たしている。同時にヒロインの陽菜は特殊能力を有しており世界と繋がったため、セカイ系の完成というわけである。とはいえ前半はセカイ系の雰囲気をほとんど感じさせなかった。というのも、陽菜は特殊能力を持ち東京という場は今までの作品における特殊空間として機能していたものの、同時に東京は日常空間でもあり陽菜はその特殊能力によって社会と繋がっているため、やってることは晴れ女であることを除き全て通常の世界の物語であったからだ。流れとして通常の世界と異なっているのは陽菜の晴れ女能力のみである。その意味でこれはセカイ系作品というよりは、セカイ系の要素を持つ通常の恋愛ものと表現するのが妥当だと感じた。
後半では主人公たちの逃避行と救出劇で世界かヒロインかの選択を迫られ一応のセカイ系っぽさを見せるが、前半からの流れでこれも恋愛ものの派生展開みたいな印象のほうが強かった。そもそも恋愛もので世界(というか今回の場合は世界というほど巨大なものではなく実際は東京程度だが)で選ぶはずはないので、一連の展開は世界かヒロインかの選択を迫るというセカイ系からの要請よりはヒロインを選ぶ選択をする代償を大きくすることで事の重大性を演出する恋愛ものからの要請が大きかった気がする。
ということで前作までと大きく物語の展開を変え特殊空間と日常空間とを重ねたことによって、結果的には通常の平凡な恋愛ものと変わりないものになってしまった。とはいえ前作の君の名は。よりも悪くないと感じたのは登場キャラクターの行動が前作に比べて合理的だったからだと思っている。今作は個人的に違和感を感じる行動がそんなに多くなかったのが結構好印象だった。まあそれは普通の恋愛ものになったがゆえにキャラの行動が通常の範疇に収まったことが原因だろうが……。
細かいつっこみからすると、身分証なしで東京来るんだったら新宿なんか行かずに山谷でも行ったほうが日雇いの仕事ありそうだなーとは思った。わざわざ新宿に来るのは地方民ゆえの無知か、あるいは作品としての都合か。
全体的なミュージックビデオっぽさは君の名は。よりもなく、そこまでうるさいとは感じなかった。ただ最後主人公が空に行って一緒に落ちてくるシーンはめっちゃくちゃうるさくて死ぬかと思った。相変わらず盛り上がるシーンでデカいBGM流されるのは苦手。
田端のあの辺を選んだのは東京の下町っぽいところで3年後の世界で海に沈まないという理由か?新宿周辺の都心部以外も使うのは割と新鮮だったし、山手線の東側は中高の生活圏だったので懐かしさがあった。
というわけで本題。まず、新海誠の系譜として、どれも恋愛ものであるものの、秒速や言の葉のラストは男女が結ばれなかったが、その後の作品である君の名は。では最後に男女が結ばれる。これによって(結ばれる以上の展開はないため)男女の出会い→会うために奔走→結ばれないor結ばれるという構図には区切りがつき、今回はそれとは違った展開になるということは容易に予想された。結果的に本編では最初の出会いの後自由に会うことができるという点で今までと異なっており、予想通りである。
言の葉の庭、君の名は。などでは出会いの場が特殊なものとして設定されており、それぞれ雨の新宿御苑、黄昏時の山頂が該当する。その系譜でいえば今作では日常空間がそのまま出会いの場になっており、その意味でセカイ系の成立条件を満たしている。同時にヒロインの陽菜は特殊能力を有しており世界と繋がったため、セカイ系の完成というわけである。とはいえ前半はセカイ系の雰囲気をほとんど感じさせなかった。というのも、陽菜は特殊能力を持ち東京という場は今までの作品における特殊空間として機能していたものの、同時に東京は日常空間でもあり陽菜はその特殊能力によって社会と繋がっているため、やってることは晴れ女であることを除き全て通常の世界の物語であったからだ。流れとして通常の世界と異なっているのは陽菜の晴れ女能力のみである。その意味でこれはセカイ系作品というよりは、セカイ系の要素を持つ通常の恋愛ものと表現するのが妥当だと感じた。
後半では主人公たちの逃避行と救出劇で世界かヒロインかの選択を迫られ一応のセカイ系っぽさを見せるが、前半からの流れでこれも恋愛ものの派生展開みたいな印象のほうが強かった。そもそも恋愛もので世界(というか今回の場合は世界というほど巨大なものではなく実際は東京程度だが)で選ぶはずはないので、一連の展開は世界かヒロインかの選択を迫るというセカイ系からの要請よりはヒロインを選ぶ選択をする代償を大きくすることで事の重大性を演出する恋愛ものからの要請が大きかった気がする。
ということで前作までと大きく物語の展開を変え特殊空間と日常空間とを重ねたことによって、結果的には通常の平凡な恋愛ものと変わりないものになってしまった。とはいえ前作の君の名は。よりも悪くないと感じたのは登場キャラクターの行動が前作に比べて合理的だったからだと思っている。今作は個人的に違和感を感じる行動がそんなに多くなかったのが結構好印象だった。まあそれは普通の恋愛ものになったがゆえにキャラの行動が通常の範疇に収まったことが原因だろうが……。
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