理事長あいさつ

理事長あいさつ
   

 令和2年度は、新型コロナウイルスが猛威をふるい、感染拡大が世界的な大流行となるなかで新年度を迎えました。全世界が想定外のインパクトを受け、我が国も今までにない様々な局面に立たされています。この危機を乗り越え、あらためて、自然への畏敬の念、人と人との豊かなかかわりや実体験の大切さなどを伝えつつ、未来を担う青少年を育む青少年教育のナショナルセンターとして当機構の役割を果たせるよう努めてまいります。

 当機構は海・山・川等の自然あふれる全国各地27の地方施設(国立青少年交流の家・自然の家)と、前東京オリンピックのレガシーである国立オリンピック記念青少年総合センターの計28の教育施設を有しており、それぞれの立地条件を活かした特色のある活動を展開しています。これらの施設では、これからの社会を生き抜く力を育てるために必要な自然体験活動、集団宿泊活動をはじめ、多様な体験活動の機会と場を提供し、毎年、約500万人の多くの方にご利用いただいています。

 当機構では、主に二つのミッションをもっており、一つは、様々な体験活動の場や機会の充実を図る「体験の風をおこそう」運動であり、もう一つは、各地の教育拠点を中心に、社会全体で青少年の基本的生活習慣を推進する「早寝早起き朝ごはん」国民運動です。これらは、子供の頃に体験活動をした経験が多いほど、大人になった時の資質や能力が高くなる傾向があることや、生活習慣が身についている子供ほど、自己肯定感等の能力が高くなるといった当機構の調査結果を基に取り組んでいます。

 また、発達段階に応じた取組として、幼児期からの体験活動の推進、学校教育における教科等と関連付けたプログラム開発と提供、高校生を対象とした体験活動顕彰制度の実施などを進めています。そのほか、読書活動の推進と共に絵本専門士養成講座、教員免許状更新講習等の青少年の体験活動に関わる指導者・ボランティアの養成等や、経済的に困難な状況にある青少年を対象とした支援事業等にも積極的に取り組んでいます。
 さらに、教育事業等の質的・量的拡充を目指した民間企業等との連携や、SDGs・環境・防災などの現代的な課題を見据えた取組に加え、非常時にもお役に立てる施設の可能性に向けた新たな取組も進めているところです。

 今後も、学校をはじめ、様々な機関・団体・企業等、そして地域の皆様とも連携しながら、より多くの青少年に安全安心な教育環境を提供し、青少年教育のナショナルセンターとしての機能の充実に努めてまいりますので、当機構の事業運営にご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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