M/村西とおる狂熱の日々 完全版の作品情報・感想・評価

M/村西とおる狂熱の日々 完全版2019年製作の映画)

上映日:2019年11月30日

製作国:

上映時間:112分

3.6

あらすじ

前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年を求刑された、「AV(アダルトビデオ)の帝王」村西とおるのドキュメンタリー。過去(1996年)と現在(2017年)の映像が交錯する、まるでタイムカプセルのような映像は、「村西とおるとは、何者なのか?」を探りながら、その不屈の精神に迫って行く。 「人間とは、生きるとは、死とは」の根源的テーマを、エロティシズムを追いかけることでつきつめようとする村…

前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年を求刑された、「AV(アダルトビデオ)の帝王」村西とおるのドキュメンタリー。過去(1996年)と現在(2017年)の映像が交錯する、まるでタイムカプセルのような映像は、「村西とおるとは、何者なのか?」を探りながら、その不屈の精神に迫って行く。 「人間とは、生きるとは、死とは」の根源的テーマを、エロティシズムを追いかけることでつきつめようとする村西とおる監督の真摯な姿はあなたを確実に串刺しにする!

「M/村西とおる狂熱の日々 完全版」に投稿された感想・評価

数々の逸話を生んだAVの帝王・村西とおるは、バブル崩壊とともに転落し、50億円の借金を抱える。彼は再起を図ろうと、1996年の夏に北海道で4時間を超えるDVD用Vシネマと、35本のヘアヌードビデオの撮影に挑む。トラブル続出で終わりの見えない撮影現場、人間関係の崩壊。その中で村西はエロスを追い続ける。
序盤、村西についての解説とともに識者のインタビューが挟まれる。その中に片岡鶴太郎氏がいたのは感慨深い。当時私はひょうきん族かなんかのTV番組で披露された彼によるモノマネで村西の存在を知ったから。またこのメイキング映像は出演者でもあった清水大敬のディレクションのもと撮影された。よって対象に非常に近く踏み込んでいる。
このような撮影現場において、明確なビジョンを持つこと、段取りの重要性がイヤというほど思い知らされる。脚本はほぼ白紙であり、あまりに無謀な強行軍であった。そしてこの手の撮影時に発生するであろう予想されるトラブルのほとんど全てが起こっていた。
北海道の広々とした大草原で、40人近い全裸の女性たちが列をつくって並び、馬跳びをし、童謡を歌う。まぁヒドイ!異様な光景であるし、またそのヌードモデルがヒドイ。顔がわからないように加工してあるが、それでもブスばっかであるというのが判るくらい。しかも不平不満ばかり。村西はさすがに本人の前では言わないものの、ブチ切れ、意に添わないモデルに退場を命じる。それに対してまたモデル担当のスタッフがブチ切れ、現場のテンションや宿泊先のホテルの空気がどんどん悪くなっていくのが判る。以前の村西であればそれでもそのカリスマ性、神通力で乗り切ったのかもしれないが、その当時の彼では、そうもいかなかった。
しかし逆に50億の借金を背負ったからこそのバイタリティーを見せられる。何しろ食う!そこにいるみんなで、同じものを、あるものを食いまくる。とてもエネルギッシュだ。極貧から成り上がり、さらに借金を抱えた人間だからこその。
別のシーンでは、ヌードモデルたちを引き連れ、人里離れた渓流を登っていく。そこで流れるBGMは、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」だ。村西が「地獄の黙示録」のカーツ大佐に見えてくる。まさに裸の王様だ。
1996年当時のいわゆる映像業界の空気感がとても伝わってきます。いい意味で、余計な作り込みを行っていないのでダイレクトであり、面白い。もう四半世紀近くになろうとしているのですね。村西だけでなくあの頃の日本人には野生動物としてのパワーがあった。エコノミックアニマルといわれるくらいには、世界で恐れられていた。だが今はどうだろう。
この歳になってこのようなものを観る事になるとは夢にも思わなかった。ドキュメンタリーとしては満点に近い出来だが、感動が一切無かった。
きき

ききの感想・評価

3.5
あのころ松坂季実子の肉体は衝撃的だったなとか黒木香の二十歳そこそこであの貫禄とんでもないなとかKさんのスタイルの完成度すごいなとか、あの映画で果たして借金いくら返せたのだろうか・・・とか下世話なことをいろいろおもいました。
2020年映画館始めは、村西とおる!
ヨダレが出るほど面白いメイキング素材が撮り溜められていて、見入ってしまった。続々と発生するトラブルに向き合いながら作品を作り続けていく村西監督は、映像作家として本当にかっこ良い。
バブル時代の象徴にしてAVの代名詞でもあった村西とおる監督のアホさ加減と厳しさとバブルの実態をスクリーンに濃縮して映し出した我々バブル世代の野郎共にはとことなくノスタルジックなドキュメンタリー!
メチャクチャな人であり時代でもあり。しかしあのパワフルさは近年見ることがなくなってしまったもので寂しさもこれあり…
maruo

maruoの感想・評価

3.5
オールドキュメンタリー
借金返済のため大掛かりな北海道AVロケ
モノづくりの極意
村西とおる最高
上映初日の舞台あいさつ行った
このドキュメンタリーの主人公である村西とおるは、Netflixのオリジナル作品として製作された「全裸監督」は、日本発のコンテンツとしての世界へと配信され、なかなかの評判を得たが、そのモデルとなったのが、「AV界の帝王」と呼ばれた、このドキュメンタリーの主人公、村西とおる氏だ。ただ、ドキュメンタリーと言っても、作品の中心となるのは、1996年7月20日から8月3日までの2週間、北海道で彼が行ったロケーション撮影の模様を収録したメイキングビデオだ。当時、50億円の負債を背負っていた村西が、起死回生を図るために壮大な大作Vシネマと何本ものビデオを一挙に撮影しようとしていた。撮影場所でのトラブルや、集められた女優たちからの反発、その他諸々のアクシデントに襲われる村西率いる撮影隊の模様が収められている。

加えて、申し訳のように、片岡鶴太郎、西原理恵子、高須克弥、宮台真司などのコメントが挟まれ、村西とおるという人間のライフストーリーに迫ろうとしている。とはいえ、やはり興味深いのは、ナマな感情が剥き出しになっているメイキングビデオの部分だ。そのあたり、「全裸監督」と比較して観るのも面白いかもしれない。ただ20年以上も前のビデオ映像のため、少々画像が悪いので、そのあたりは忍耐も必要かもしれない。ただ、コメンテーターの話より、圧倒的に現場のメイキング映像のほうが面白いのは、当然かもしれない。「全裸監督」のおかげで、蘇った映像でもある。よくこれが残っていた。
unam

unamの感想・評価

2.0
観たのはずいぶん前。
ネトフリの全裸監督とは対照的に、その時代や現実特有の陰鬱さを感じる。(だからドキュメンタリーなのだが)

変に美化したり起承転結つけようとしなくていいんだけどとか途中思いつつ、そういう演出がより古き良きなんちゃらのように感じさせてるのかもとも。水曜スペシャルの川口探検隊的な。(俺何歳だよ)
さわら

さわらの感想・評価

1.0
少なくとも本作において、村西氏は集まった女性をブス呼ばわりし、スタッフをこき使うところからも“捕食者”であり、なにが「死んでしまいたいときには下を見ろ。俺がいる」だ。勘違いも甚だしい。テロップも酷く「米」とでかでかと出たとき虫唾が走った。

バイタリティやカリスマ性だけを持ち上げて、だれも村西とおるという人間自体に全然切り込んでいかなくてほんとつまらない。でもそれ以上につまらないのは、ブームに便乗して氏のモノマネをするお笑い芸人たちやそれに群がるバラエティ番組だと思ってるけどね
虎米

虎米の感想・評価

3.0
[舞台挨拶]映画はあまり興味無し
舞台挨拶でご本人に逢えるとの事で鑑賞です。映画の感想は特に無し。ナイスです。
彼には力がある、ビジョンがある、説得力がある、信念がある、熱き魂がある!!

応酬話法と信念で人も世界も固定概念も動かしてしまう…真のカリスマ性を見た。

AV界に革命を起こした彼だがもしAV界ではなく別の世界にいたら、日本はまた違う形に変化していたに違いない。
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