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歴史を感じる丸長バット製作所
- 特派員No. 057
右土井 勝代さん
- 2013/11/25 UP!
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元高校球児の営むバット屋が千葉市に!
昭和27年創業の丸長(マルチョウ)バット製作所が、中央区道場南に
店を構えている。
通りからは、この看板が目印。
そして店のショーウインドーには、バットと共に元巨人軍の王選手の
写真が飾られている。
子ども向け雑誌の懸賞でバットを提供した際に撮影された宮崎キャンプでの写真。
営んでいるのは、植草光長さん(78)。
植草さんのお宅は元々、燃料問屋店だったのだが、植草さんのお父様の代
からバットを作るようになった。
実は、植草さんのお父様も若い頃(千葉中学時代)に
キャッチャーとして野球に親しんでいたが、その息子である
光長さんも小学校時代から野球の才能が開花。
アンダースローと上投げを巧みに使い分ける投手は、
二人といなかったそうだ。
その強みを生かし、千葉一高(現在の千葉高校)の3年の時、
ピッチャーのエースであこがれの甲子園に初出場。
昭和28年のその年に、テレビが高校野球の放映を開始。
当時は、背番号は、普通はつけないのが当たり前だったのだが
甲子園では、テレビ放映に際し、だれかがよくわかるように
背番号を導入したそうで
「宿で背番号を自分でぬいつけたんだよ」と植草さん。
バットに隠されたロマンチックな秘密
そんな息子さんの活躍が何よりうれしかったお父様は、ガスが各家庭に
いきわたっていくという時勢の流れに逆らえず、燃料問屋として大量に
保有していた木材を利用してバット製作所として、商売替えをした。
当時の素材は、国産のアオダモ。生産地によって、呼び名が変わり
しなり具合などが気候によっても違いがあったという。
現在は、アオダモは高級素材だそうだ。
光長さんは大学でも野球を続けたが、肩を壊し、卒業後は家業の
営業職として、全国各地を飛び回った。
当時は、現在も大手のミズノ等を含め、バット製作所は約60社程
あったそうだが、その熾烈な競争を勝ち抜けたのは、元高校球児としての
光長さんの的確なアドバイスがあったからこそ。
全国各地の高校に直接営業で回り、大手ではできないきめ細かい注文に
真摯に応え、生徒たちが使いやすいバットを制作し信頼を得ていた。
なにより、日本のバットであるという事で、どうしても日本語の入っている
バットを制作したいと、光長さんは考えた。
バットの形によって、「百合」「りんどう」など、と名前をつけた。
当初の評判は、あまり芳しくなかったそうだが、その本当の理由を聞いて
みんなの気持ちが変わったそうだ。
「百合」というのは、実は51歳という若さで亡くなられた光長さんの
奥様「百合子」さんのお名前が由来。
今も昔も日本語の入ったバットを制作しているのは、丸長バットだけだそうだ。
そして、そのバットを元プロ野球の掛布選手も、高校球児(習志野高校)
だった時に使用していた。
中央の飴いろのバットが当時の掛布選手が使用していたバット。
そんな信頼の下、バットは順調な売り上げだったのだが、
昭和50年頃に登場した「金属バット」により「木製バット」の
売り上げが激減。
しかし、いち早く「金属バット」にシフト変更した丸長バットは
当時60社あった製作所が9割潰れていく中、その残り1割の中に
とどまることが出来た。
しかし、光長さんが3年前に腰を痛め、全国への営業が難しくなり、
現在は主に結婚祝や新築祝などの贈答品として、販売をしている。
材質の違う竹のバットは7000円。竹を組木して、それを
バットの形に削っていく。
バットに書かれている文字は、植草さんの直筆。
「一文字一文字心をこめて書いています」。
現在は植草さん自身は製作していないが、当時の様子を再現していただいた。
出来あがったバットに各高校名の焼き印を一つ一つ押していく。
このプレミアム感が受け入れられた。
これだけの多様なノミを使い分けて一つのバットを作っていくのは
本当に大変な技術。
これはバント専用のバット。
「持つところがくびれているでしょ。ここを持つの」と植草さん。
3人の息子さんも、皆、野球に携わったのだが、それぞれ独立し、
残念ながら「丸長バット」は継がれないそうだ。
でも、あの輝いていた青春と共に、高校球児たちに愛された
「丸長バット」は、いつまでもみんなの心に存在し続ける事でしょう。
丸長バット製作所
住 所 千葉市中央区道場南2-1-3
電 話 043-222-0358
FAX 043-222-0368
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際はHP等で最新情報の確認をしてください
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- この記事を書いた人特派員No. 057 右土井 勝代
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