みどころ
世界初公開、続々!
本展では日本の近畿大学生物理工学部の研究を紹介し、最先端生命科学の“今”とこれからの生命科学のあり方について考えていきます。
「ユカギルマンモス」(頭部冷凍標本)
2005年に開催された「愛・地球博」(185日間)で展示され、700万人(総来場者2200万人)が目撃した「ユカギルマンモス」(頭部冷凍標本)が14年の時を経て来日を果たします。
特別重要文化財(ロシア連邦)
年代:17,800年前/発掘:2002年/
発掘場所:サハ共和国 ウスチ・ヤンスク地区 イリン・ヴィラフチャアンニア川下流地域
ケナガマンモスの鼻(冷凍標本)
注目の展示は今回世界初公開される冷凍標本『ケナガマンモスの鼻』。
2013年、世界で初めて完全な形で発掘されたこの『ケナガマンモスの鼻』は、これまで考えられていたマンモスの鼻の形状を覆す発見となった貴重な個体標本です。
特別重要文化財(ロシア連邦)
年代:32,700年前/発掘:2013年9月/
発掘場所:サハ共和国 ノボシビルスク諸島 マールイ・リャホフスキー島
ケナガマンモスの皮膚(冷凍標本)
昨年夏、本展のために発掘現場を訪れた調査隊が発見した、『ケナガマンモスの皮膚』(マンモスの後脚部分)の冷凍標本も世界初公開します。非常に生々しい状態で発掘されたこの皮膚には、マンモスがなぜ極寒の地で生き延びられたのかを解き明かす鍵が隠されています。
特別重要文化財(ロシア連邦)
年代:31,150年前/発掘:2018年8月12日/
発掘場所:サハ共和国 ベルホヤンスク地区 ユニュゲン
仔ウマ「フジ」(冷凍標本)
ロシアから驚愕のニュースが届きました!
世紀の大発見!「古代仔ウマ」完全体冷凍標本の「マンモス展」での世界初公開決定!
特別重要文化財(ロシア連邦)
年代:41,000~42,000年前/発掘:2018年8月/
発掘場所:サハ共和国 ベルホヤンスク地区 バタガイカ・クレーター
「ユカギルバイソン」(冷凍標本)
年代:9,300年前/発掘:2011年8月/
発掘場所:サハ共和国 ウスチ・ヤンスク地区 ヤナ・インジギルカ低地 チュクチャラフ湖
仔イヌ(冷凍標本)
年代:12,450年前/発掘:2015年8月/
発掘場所:サハ共和国 ウスチ・ヤンスク地区 スィアラアフ川流域
ライチョウ(冷凍標本)
年代:1,600年前/発掘:2016年8月/
発掘場所:サハ共和国 ベルホヤンスク地区 ユニュゲン
展示構成
本企画展では、その貴重な冷凍標本の展示を、古生物学や生命科学などのさまざまな角度から見つめ、
今は亡きマンモスの実像に、過去・現在・未来という視点で迫ります。
本展では、ロシア連邦・サハ共和国の永久凍土から発掘されたマンモスや古生物の冷凍標本を史上最大級の規模で展示します。これらは通常の化石などと違い、冷凍状態で出土したため、生前の様子を生々しく残しているのが特徴です。会場では、マンモスの鼻や皮膚など、世界初公開の標本を間近で観察することができます。また、冷凍標本は、生命科学の研究対象にもなっています。本展では、近畿大学の「マンモス復活プロジェクト」という挑戦に焦点をあて、最先端生命科学の今と未来、そしてこの挑戦と切っても切り話せない倫理的な側面も含めて考えていきます。
太古を生きたマンモスが永久凍土から現代に再び姿を現し、生命科学の未来を問いかける本展。貴重な展示物を通じて太古の生物に思いをはせるとともに、生命科学の未来について来場者の皆さんとともに考えます。
展示のコンセプトは、
時空を超えたマンモスの物語。
プロローグ
なぜ人類はマンモスに惹かれるのか。世界の研究者たちがその「復活」を研究する中で、私たちが考えるべきこととは。来場者へ語りかけます。
Tales of Mammoth 1
マンモス、太古の記憶
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チュラプチンスキーのケナガマンモス
(年代:後期更新世) -
ケナガマンモスの頭骨
(年代:後期更新世) -
ケナガマンモスの毛
(年代:31,150年前) -
ケナガマンモスの糞
(年代:後期更新世) -
ケナガマンモスの歯(上顎左第3大臼歯)
(年代:後期更新世) -
ケナガマンモスの牙(左切歯)
年代:後期更新世
Tales of Mammoth 2
永久凍土で待つもの
近年発掘された貴重な冷凍標本は、体組織が凍ったまま残っており、保存状態の良い細胞サンプルが採取されています。これらの研究は、現代の研究者たちに「マンモス復活」という大きな夢を抱かせることになります。
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ケナガマンモスの下顎骨
(年代:31,150年前) -
仔ウマ「フジ」
(年代:41,000~42,000年前) -
ケナガマンモスの皮膚
(年代:31,150年前) -
「ユカギルバイソン」
(年代:9,300年前) -
ライチョウ
(年代:1,600年前) -
仔イヌ
(年代:12,450 年前)
Tales of Mammoth 3
その「生命」は蘇るのか
近畿大学の三谷匡博士が、本展のもう一つのみどころである近畿大学の「マンモス復活プロジェクト」を通じて、最先端生命科学の「今」と「未来」をナビゲートします。
急速に進歩を続ける生命科学の世界。ゲノムを解析・合成し、人工的に細胞をつくり出す「合成生物学」など、生命のさまざまな情報を解読して操作することが可能となりつつあります。1996 年から近畿大学で始まった「マンモス復活プロジェクト」では、マンモスの正体を知る鍵となるマンモスの「細胞核」を採取する上で直面した困難や、マンモスの細胞核が生命活動の兆候をみせたという発見など最新研究を紹介します。
このような研究の中で得られるいろいろな発見は、絶滅危惧種の保護やマンモスなどの絶滅種の復活の糸口につながるのみならず、医療・食糧・環境など、社会や暮らしのさまざまな分野で役立つことが期待されています。しかし、一方で絶滅種の復活については、倫理的な問題や生態系への影響など、私たちが考えなくてはならない多くの課題があります。日々進歩する科学技術に向き合って、私たちはどのような未来をつくるべきなのか、一人ひとりに問いかけます。