びしっとスーツを着て並ぶのは、今年入社の新入社員。4月に入り、各地で入社式・入省式が行われた。

そんな社会人1年生が楽しみにしていることの一つといえば…、初めての給料となる“初任給”だ。初任給といえばこれまでは、同じ年に入った新入社員はだいたい同じ給料というのが一般的だった。

 だが実は今、この初任給に格差が生まれているという。

最初の時点で年収に50万円の差

そんな驚きの初任給制度を導入しているのが、ソフトウェア開発企業「ワークスアプリケーションズ」。

 人事部責任者の矢下茂雄さんは「インターンで入ってくる方々については一番最初の時点で年収600万円を提示しております。」と話す。

 「ワークスアプリケーションズ」では、一般的な新入社員の年収は550万円となっている。

だが、入社前にインターンを経験し、会社が優秀と評価した新入社員については年収600万円を提示しているというのだ。初年度からその年収差は50万円にものぼることとなる。

 そんな多い給与を提示されている新入社員は、 「給与など、その人の能力に合わせなければ、なかなか人が(新入社員が)入ってこないと思う」「頑張った分だけ評価されるプラス面もあるので、自分のモチベーションあげて頑張る」などと、この仕組みを好意的に捉えていた。

メルカリでの初任給アップは、内定後から入社までの間でも可能

さらに、フリーマーケットアプリを手掛けるメルカリでも、今年度の新卒新入社員向けに、個々の能力に応じた年収を提示している。

また初任給アップは、内定後から入社までの間でも可能となっている。

新卒採用担当の奥田綾乃さんは「自由にお任せしているけど、入社までに自分のスキルアップに投じた学生には、適切に評価したい。より優秀な方がメルカリで働くことを意識してくれるきっかけになったかなと思っています。」と期待を寄せる。

 一方で新入社員の毛利竹宏さんは「正当に評価していただけるのは、学生からしても非常に頑張る理由になる」と、仕事へのやりがいにつながると語った。

初任給に差をつけるのは、企業の熾烈な国際的な競争の影響

そんな新入社員の初任給に差をつける制度を導入したのは、企業の熾烈な国際的な競争があるという。

矢下さんは「グローバルで競争の中にもまれていますから、その中で勝っていこうとするときに、海外企業と同じ採用の仕方同じ考え方、その中に日本の良さみたいなものをミックスしてどうやってやっていくのか」と、この意義を明かした。

新たな初任給制度の広がりは、新入社員たちのこれからをどう変えていくのだろうか?