「ケアマネの合格率が低いのはなんでだろう?」
あなたは今こんなことを考えていませんか?
事実、ケアマネ試験は難関試験であると言えます。他の介護関連資格と比較してみても合格率が最も低い試験です。資格試験 合格率 介護福祉士 69.9% 社会福祉士 29.3% 精神保健福祉士 62.7% 理学療法士 86.4% 作業療法士 87.3% 看護師 89.2% ケアマネ 19.5%
※2019年度開催された介護関連資格の合格率
なぜケアマネ試験は合格率が低いのでしょうか。
当サイトでは次の2つが理由であると考察しました。(※厚生労働省などは公式見解を出していません。そのため当サイト上での考察となります。)
- ケアマネの質を高めるため
- 介護職の人材不足とのバランスをとるため
この記事では『ケアマネの合格率がなぜ低いのか』を分析し解説しました。
後半では
- 『合格率が低い中で合格するにはどのようなポイントが重要なのか』
- 『ケアマネ試験の勉強法』
についても3つのポイントを交えて解説しました。
ぜひ最後までご覧ください。では解説していきます。
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1.ケアマネ試験の合格率が低い2つの理由
※合格率や合格基準点の設定や合格率が低い理由について、厚生労働省や試験を運営する社会福祉振興・試験センターなどからの公式な見解はありません。
そのため、ここからの内容については一部推測の部分も含まれることをご了承ください。
ケアマネ試験の合格率が低い理由として次の2つが考えられます。
ケアマネ試験の合格率が低い2つの理由
これらの理由について1つずつ説明していきます。
1-1.ケアマネの質を高めるため
『ケアマネの質を向上するためにあえて合格率を低く設定し、資格取得のハードルを上げていること』が考えられます。
つまり『難易度の高い試験にすることで、ケアマネの資質に優れた者だけに資格を与え、ケアマネジャーのサービス品質の改善を目指すため』が1つ目の理由だと思われます。
介護保険の利用者が爆発的に増える中ケアマネの数も必要になり、近年ケアマネの数は急速に増えました。
しかしケアマネの増加に伴って『ケアマネの質の低下』という問題が浮上しています。
「利用者の希望だけに対応する『御用聞きケアマネ』や『言いなりケアマネ』が増え、専門的見地が発揮されず利用者の自立支援が進まない」というケアマネへの批判も最近では増えています。
- ケアマネに医療的な視点が欠けていること
- 医療機関との連携も不足していること
など多くの課題が厚生労働省の介護保険部会でも議論されてきました。
介護保険制度の在り方に関する議論でも『ケアマネの質に課題があり改善することが必要』という方針を厚生労働省も示しています。
その結果として『ケアマネ資格取得の入口の厳格化』が行われている可能性があります。
あくまで推測ですが、ケアマネジャー資格取得へのハードルを高くすることでケアマネになる人の絶対数をコントロールし、ケアマネジャーの質の向上を図っている側面も大きいと思われます。
1-2.介護職の人材不足とのバランスをとるため
ケアマネの合格率が下がっている2つ目の理由は『介護職員の人材不足とのバランスをとるため』です。
ますます高齢化進む社会において、介護職員の人手不足は現在危機的な状況にあると言われています。
「2025年には実に34万人の介護職員が足りなくなる」と言われています。
ケアマネ試験受験者の多くは現場で介護業務を行う介護福祉士です。
『介護福祉士資格を持ったケアマネ合格者が増える』という事は、裏を返せば介護の現場で働いている介護福祉士がケアマネになるため『現場から有能な介護職が減ること』を意味しています。
「ケアマネの合格者数を減らし、できるだけ現場職員を減らしたくない」という厚生労働省の狙いがあるのではないでしょうか。
『現場の介護職員とケアマネの人員のバランスをとるために、あえて低く合格率を設定している』ことが2つ目の理由だと考えられます。
あくまで公式な見解は示されていないため、これらの意見は推測となりますが、ケアマネ試験の合格率は
- ケアマネの質の向上
- 現場の介護職員とケアマネの人員のバランス
の2つの要因から設定されていると考えることができます。
まとめるとケアマネの合格率が低い理由として当サイトでは次の2つを紹介しました。
ケアマネの合格率が低いと考えられる2つの理由
2.【番外編】ケアマネの受験者数が大幅に減少
この章は番外編となります。
事実、ケアマネの受験者数が大幅に減少しています。
ケアマネ試験のここ5年間の受験者数・合格者数は次の表の通りです。年度 受験者数 合格者数 合格率 2015年 134,539人 20,924人 15.6% 2016年 124,584人 16,281人 13.1% 2017年 131,560人 28,233人 21.5% 2018年 49,333人 4,990人 10.1% 2019年 41,049人 8,018人 19.5%
2017年度から2018年度の間でおよそ63%も受験者が減っていることがわかります。さらに2019年度も受験者数は減少し41,049人となりました。
2019年度に関しては試験日当日に大型台風が直撃して試験を順延した自治体もありました。
さらに再試験の時期にも新型コロナウイルスの流行が原因となり、試験を見合わせた人が多かったことも受験者数の低下に影響しています。
なぜここまでケアマネ試験受験者数が激減したのか、理由は次の3つだと考えられます。
ケアマネ試験受験者数が激減した3つの理由
- ケアマネと介護職の待遇格差が縮小した
- ケアマネの仕事に魅力を感じない人が増えた
- 国家資格以外の介護職は受験ができなくなった
この中でも特に顕著な要因だと考えられるのは、1つ目の『ケアマネと介護職の待遇格差が少なくなった』ことです。
近年では介護職員の人材不足を解消するために、介護職の待遇改善の取り組みが数多く行われています。処遇改善加算、さらに特定処遇改善加算により給与は大幅に改善されています。
介護労働安定センターが調査した、職種別の所定内賃金(月給の者)の比較です。平成30年9月 平成29年9月 差(平成30年-平成29年) 介護職員 300,970円 290,120円 10,850円 介護支援専門員
(ケアマネ)350,320円 342,770円 7,550円
参考:厚生労働省平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
1年前の調査と比較して、ケアマネの所定内賃金が7,550円上昇しているのに対し、介護職員の所定内賃金は10,850円も上昇しています。
さらに2019年10月からは新たに『特定処遇改善加算』という加算も介護報酬に含まれるようになりました。
これはベテランの介護福祉士などの条件を満たす介護職員を中心に給与が上乗せされる加算のため、介護職員の待遇はさらに改善していると考えられます。
一方ケアマネはこれらの加算による処遇改善の対象に含まれていないため、ケアマネと介護職員の待遇差が縮小していると考えられます。
「努力して勉強してケアマネの資格を取得しても、介護職員のままでいた方が夜勤などの手当ても多く給料は良かった」という場合もあります。
「介護職員の待遇改善によってケアマネとの給与格差が縮小したことで、ケアマネになっても給与がさほど変わらないならば、介護職員の仕事に留まる」と考える人が増えているという傾向が見られます。
3.ケアマネ試験に合格するために大事な3つのポイント
ケアマネ試験は難易度が高く合格率10%台という難関試験です。
難関試験に合格するために必要なのは以下の3つのポイントです。
ケアマネ試験に合格するために大事な3つのポイント
3-1.最低でも半年前から勉強をする
試験勉強は最低でも半年前から始めましょう。
1日20分でもテキストや問題集を開く学習習慣を身に付けることが大切です。
3-2.過去問は最低5年分解く
過去問は最低5年分を解きましょう。
ケアマネ試験問題は類似問題が多いので、過去問を繰り返し解くことで正答率を高めることができます。
過去問を解くことで足りない知識を補うことだけでなく、頻出問題のパターンも把握することができます。
3-3.講座を活用する
最も合格率を高める方法は『講座を活用すること』です。
ケアマネ試験対策講座は、通信講座または通学講座で受講できます。
通信講座では整理されたテキストで効率的に学習できます。
試験勉強の時間があまり取れない方でも、e-ラーニングや動画教材などを活用して自分に合ったスタイルでの学習も可能です。
またメールやFAXで質問できるサポートもついているので、疑問や不明な点をすぐに解消することができます。
通学講座では『集中して学習できる環境』で試験勉強をすることができます。また『模擬試験だけ参加する』といった上手い活用方法もあります。
講座受講には費用も掛かりますが、難関試験合格のためにお金をかけるだけの価値はあるため、ぜひ有効活用していきましょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
当サイトでは、ケアマネの合格率が低い理由は次の2つと考察しました。
ケアマネ試験の合格率が低い2つの理由
また次の3つの理由から、ケアマネの受験者数も年々減少を続けています。
- ケアマネと介護職の待遇格差が縮小した
- ケアマネの仕事に魅力を感じない人が増えた
- 国家資格以外の介護職は受験ができなくなった
とはいうもののケアマネを目指している方も多いでしょう。
ケアマネ試験は難関試験であり合格率が低いですが、次の3つの対策をすることでグッと合格に近づく事ができます。
ケアマネ試験に合格するために大事な3つのポイント
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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