「週刊少年ジャンプ」で連載されていた漫画「アクタージュ」の原作担当でシナリオライターの松木達哉容疑者(29)が強制わいせつ容疑で逮捕されたことを受け、作画を担当する宇佐崎しろ氏が声明を発表した。

宇佐崎氏は24日、ツイッターに文書をアップし、「まず、被害に遭われた方とそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。大きなショックと恐怖の中、声を上げ、ご自身の尊厳を傷つけられたことに対する怒りを捨てなかったことは、本当に勇気ある行為だと思います。まだ司法の判断は下されていませんが、被害に遭われた方の届出によって事件化され、逮捕・勾留という手続きがとられたという事実を、重く受け止めたいと思います」とした。

今回の事件にともなう、「-ジャンプ」側の打ち切り決定について「(被害者に)苦痛を与える原因になる可能性を考慮して、作品の終了は妥当だと判断しました」とし、「この度は道半ばで作品を終わらせることになってしまい、皆様と同じく私もとても残念に思っています」とした。

その上で、ファンに向けて「しかし作品を惜しむ声が被害に遭われた方に対しての重圧となることは、絶対に避けるべきことです。当然のことですが、作品が終了するのは被害に遭われた方のせいではありません。被害に遭われた方が声を上げたこと、苦痛を我慢して痴漢行為や性犯罪に対して泣き寝入りしなかったことは決して間違いではありません。正しいことが正しく行われた結果です。その勇気と行動を軽視したり、貶めたり、辱めるような言葉でさらに傷つけることは、あってはならないことだと思います。漫画に救われて生きている方々、作品を生きがいにしていただいていたファンの皆様の気持ちもよくわかります。私も漫画に救われて生きています。やりきれない気持ちでいっぱいです。ですがその愛を間違った方向に暴力として向けるのは絶対にやめてください。どうかしっかり考え、様々な視点を持ち、根拠のない情報に惑わされず、何を言うべきか、言わないべきかを選択してください」と呼びかけた。

松木容疑者は6月18日に路上で女子中学生の胸を触った疑いで逮捕された。