システム開発を円滑に進めるには、開発対象のシステムに合ったプログラミング言語を選ぶ必要がある。プログラミング言語によって向いているシステム、または向いていないシステムがあるからだ。ITエンジニアには開発対象に応じて利用言語を増やしたり、場合によっては切り替えたりすることが求められる。
ITエンジニアが開発するシステムは様々だ。最近では、従来の基幹系システムだけでなく、Webサービスやスマホアプリ、AI(人工知能)システムなどもある。では、ITエンジニアはどんなプログラミング言語を使っているのか。また開発対象のシステムごとに利用されている言語は何か――。
これらを確かめるため、日経クロステックでは「プログラミング言語利用実態調査 2020 夏」をWebサイト上で実施した。調査期間は2020年6月23日~7月3日。711人の会員から回答を得た。その結果を見ていこう。
C/C++が首位陥落
アンケートでは普段使っているプログラミング言語を3つまで挙げてもらった。その結果、利用言語の第1位は「JavaScript」で、回答者711人中217人が使っていた。3割以上のエンジニアがJavaScriptを使っていることになる。JavaScriptはWebシステムやWebアプリのクライアント側(Webフロントエンド)開発に多用されるプログラミング言語だ。
日経クロステックでは2018年と2019年に同様の調査をしている。過去2回の調査では、利用言語の第1位は「C/C++」だった。今回、C/C++は第4位(182人)に後退した。このことからITエンジニアが開発するシステムにWeb技術の採用が進んでいることが分かる。
利用言語の第2位は「Python」(207人)だった。PythonはAIシステムやデータ分析システムに利用されている。Python向けの機械学習や計算処理などのライブラリーやフレームワークが豊富にあるためだ。最近こうしたシステム開発に携わるITエンジニアは増えており、第2位に入る結果となった。
利用言語の第3位は「Java」(186人)、4位は182人が利用していると回答した「C#」と「C/C++」だった。JavaやC#は基幹系システムや業務システムの開発に利用する定番言語である。