2014年7月17日木曜日

森砥石さん新着情報 試し研ぎのため3丁持って来られました

森龍次商店の森さんが
試し研ぎのため、新入荷砥石を3丁持って来られました
まずはこれ、立派なサイズの青砥です
森さんによると、地元の京丹波亀岡・神前地域
岡花の北山で採れたものだということです


一見、栃木県産の荒内砥のように見えますが
縞の間隔が荒内砥よりは狭く
見分けは付きますが、下手に天然中砥の知識があると
見誤るかもしれません・・
以前紹介したように、茨城県産の大泉砥と
亀岡産の佐伯砥がよく似ている例もありますので(参照
慎重に判断する必要を感じます


反対面の柾目の様子


柾目方向に細かい筋が確認できますが
これは手挽きの跡だということです
かなり古いもののようです


両側の板目面の様子


ほど良い硬さ(やや硬め)で研ぎ面がダレることなく
しかも反応も良いので心地よく研ぐことができます


粒度は#1200といったところでしょうか
はがねに付く傷が浅く、しかも柔らかい地鉄じがね
付く傷に針気がほとんどないのは特筆ものです
私の研ぎの師匠が30年ほど前に
もう丹波の青砥の良いものが無くなった・・
(現在見られるものは針気が多いものがほとんど)
と言っていたほどですから
その当時の優れた青砥の数少ない残りとも言えます
研いだ鉋身は昨日紹介した中野武夫氏が鍛えた
義廣銘の小鉋(身幅4.8cm)


最後に紹介してる画像で
このように刃先が白く磨耗している状態から研ぎました
この青砥で2分ほどで刃の返りが出ました
ですから、強い研磨力があると言えます





次も亀岡産で大内おおち産の仕上砥、巣無しの巣板です


大内産の仕上砥はこれまでいくつか紹介しましたが
小振りながら、その中でも最も優れています


裏面の様子


両側の様子


やや硬めですが、よく反応し
大内産としては珍しく滑らかな研ぎ感です
理想的な黒い研ぎ汁です


研ぎ上がりも素晴しく
亀岡産によく見られる
地鉄に付く粗い傷がこれには確認できません
優れた内曇砥のように研ぎ上がります
鋼もピカリと光るほどに研ぎ上がり
文句なしの仕上砥です
刃物の商品用の研ぎにも向いているのではないでしょうか




さて、最後は京都梅ヶ畑・中山産の巣板です
中山では巣板は採れなかった
という意見もあるようですが
今回は森さんの意見を尊重して中山産巣板としておきます


筋や巣嚢があり、あまり良い状態ではありませんが
冴えのあるカチリとした質感は他にあまり類を見ません


裏の様子


両側の様子


硬口の巣板で、カチリとしていますが
反応よく滑走感も優れています
硬口ながらシャリシャリとした研ぎ感は
中山産と言われれば納得してしまいます・・


巣板独特のやや粗い傷が付きますが
この地・刃の冴えは東物は間違いないでしょう
東物でも、奥殿産の硬口の巣板とは
やや違う研ぎ上がりのように感じます



以上、サイズ、価格など詳しいことは
森龍次商店までお問い合わせ下さい


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