≪関西のニュース
『柿渋』に抗コロナ効果…感染力1万分の1以下に「人に有効かどうかはまだ不明」
更新:2020/09/15 17:51
奈良県立医科大学は塗料などに使われる『柿渋』が「新型コロナウイルスの感染力を抑えるかもしれない」と発表しました。
大阪府の新型コロナウイルス感染者は9月14日は32人と、9月に入ってから2ケタの日が多くやや落ち着きを見せ始めているようにみえます。1週間平均の陽性率も4.7%となっています。また全国最多となっている重症者の数も8月16日には最多の72人となりましたが、9月14日は36人にまで減少しています。この状況について大阪市の松井市長は…
(大阪市 松井一郎市長 9月15日)
「専門家の皆さんがコロナの第2波のピークを過ぎたと見るべきと、そういう判断されているし、そういう数字が出てきている。これは落ち着いてきたというふうに捉えるのがごく一般的な考え方ではないかなと思います。」
そんな中、奈良県立医科大学は9月15日、コロナウイルス対策として注目の発表をしました。
(奈良県立医科大学 伊藤利洋教授)
「柿渋が新型コロナウイルスを1万分の1以上のレベルにまで不活化することを世界で初めて実験的に確認するに至りました。」
大学によりますと、唾液と新型コロナウイルスが入った試験管に柿渋を加えたところ、柿渋が入っていない試験管と比較して新型コロナウイルスの感染力が1万分の1以下に抑られたということです。奈良県の特産品である柿。柿渋は渋柿を絞った汁を発酵させたもので、普段は塗料などに使用されています。柿渋を製造する業者は…
(石井物産 石井和弘社長)
「研究が進んでいけば柿の見直しをしていただけるかなと思う。柿の可能性を知っていただけたら大変ありがたい。」
奈良県立医科大学によりますと、この柿渋を飴やガムなどに混ぜて口に含むことで、新型コロナウイルスを予防する可能性があるということですが、実際に人に有効かどうかはまだ不明ということです。
(奈良県立医科大学 伊藤利洋教授)
「唾液を混合するなど口腔内の状況に類似した環境における基礎的な実験結果ではありますが、そのため人で証明したものではございません。」
今後、人に対して効果があるか臨床研究も行うことにしています。