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「やっぱりしっくり来るのは冬」GLAYが王道の新曲を語る  (2017/11/25 放送)

今週は、GLAYのヴォーカルのTERUさんと、ギターのTAKUROさんをお迎えしました。

お二人を中心に1988年に北海道の函館で結成されたグレイは、今年でデビュー23年目。TAKUROさんはこの23年間を振り返ってこう話してくれました。

「高校時代の仲間たちが、あの時の情熱そのままにやってるっていうのは…だから、スタジオに入ったらもう仕事ではないですもんね。高校時代の函館の小さなスタジオと雰囲気変わらないんで。それが嬉しいし。だから、GLAYの仕事行きたくないと思ったこと一回もないですよ。23年間。今日どんな面白いことあるんだろう?っていつも思いながらスタジオに行くんで」

メンバーは仕事以外でも仲良しで、今でも週に3回ぐらい一緒にご飯を食べに行くんだとか。

「面白いんですよ、ただ単に」。「そうだね、お互いに」。「昨日あったテレビの話題が広がりすぎて、とか。夫婦喧嘩の話題とか。ロックの話題からいろいろと話題も変わってくるわけですよ」

ファンも、メンバー4人の今も変わらない雰囲気に惹かれている方が多いようです。

「JIROの提案で、ヒット曲に頼るライブ作りはやめようっていうのを10年ぐらい前からやってるんですね。やっぱり常に新しいことをやっていこうよっていうそのJIROのアイデアは大賛成なんですけど、新しい曲をやって自分なりの挑戦はいつもしているけれども、ファンの人たちは口を揃えて、雰囲気が変わらないって」

そして、TAKUROさんはGLAYというバンドについてこんなこともおっしゃっていました。

「ロック・バンドっていうカテゴリーの中でやってる時に、この何十年かで学んだことは、譜面に書けないことが一番の個性だったりする」

「例えば、曲を作ります。簡単なコード譜を渡します。だけど、どんな感じ?って言われた時に、冬の国道5号線の桔梗駅近くの、雪虫が舞っててハラハラと立つ雪が…って言って、あ、あれね。なるほど、こんな感じね…って出してくれることが、やっぱりGLAYサウンドのある意味、核になってて。これを譜面で、どんな機材を使ってどうこうではやっぱり難しいです」


初期のGLAYは、かつて一世を風靡したテレビ番組のコーナー『三宅裕司のいかすバンド天国』、通称『イカ天』にも出演したとか。

「言いたくねぇ。出てるけど(笑)」とTAKUROさん。当時のGLAYはチャンスを掴むために、いろんなオーディションやコンテストに出場したそうですが、ルックスと音楽性のギャップがなかなか理解されなかったそうです。

「格好がビジュアル系でメイクもしてるし。だけど、やってる曲がめっちゃフォークみたいな優しい音楽だから、審査員の方たちにどっちかに寄せろと言われましたね」

「でも、激しい格好はしているけど、TERUさん中身はめちゃめちゃ優しいじゃないですか。優しさロックの塊みたいな。いや、これがGLAYなんだけどなって。名前もGLAYだしって思ってたんだけど」

また、TERUさんは最初の頃の不安についてこんなふうに話してくれました。

「不安だらけでしたね。毎日不安でしたね。もうデビューしてからも、売れないのは俺のせいかも知れない…って言って、TAKUROとかJIROに相談して、髪を切った方がいいかな?とか言うぐらいですからね。そういうことの繰り返しですね」


一方、今のGLAYの状況は、TERUさんのこんな言葉からも伺えます。

「今やってることが一番やりたかったことなんじゃないかなというふうに思います。(事務所を)独立してもう10年経ちますけども、自由にスケジュールも組めて、自分たちのやりたいようにやれるような。自分たちで企画して自分たちで動いて。で、自分たちですべて責任を負うっていうのが、なんとなくGLAY流のやり方っていうのはあったので、それが今できてるんで凄く健康的にバンドができてるなって思います」

そして、TAKUROさんは、GLAYというバンドの目標、挑戦についてこんなふうに話してくれました。

「僕がメンバーを誘ったわけなので、例えばバンドが解散するとかもう充分やりきったよね、っていう最後の時に、ああ誘ってくれて良かった、っていう言葉をもらえればバンドは大成功だなって思うのと、芸術の奴隷みたいにはなりたくない、っていうのがあって」

「やっぱり一緒に喜んでくれる人がいない夢の叶い方っていうのは俺にとって不幸でしかないので。何かいいことがあった時に、必ず隣に、傍らに喜んでくれる誰かがいるような人生の方がいいと思ってるから、芸術にすべてを注いで、1日中24時間、7DAYSをGLAYのために…とかっていうのはイヤなんですよ。仕事とか夢とかって凄く人を酔わせるけれど、ちょっと危ないですよ」

「青春のいっときの思い出でGLAYを終わらせたくなかったから。ホントに最後の最後までGLAY楽しかったね、っていうのが…GLAYが企業の側面を持っているなら、それが企業理念だったりするので」


そんなGLAYは、11月22日に通算55枚目のニューシングル『WINTERDELICS.EP~ あなたといきてゆく』をリリースしました。

「この冬の季節にふさわしいGLAYの王道バラード、とファンのみなさんはおっしゃいますね。自分の中では常々、進化を考えてはいるんだけども」とTAKUROさん。今年の夏に出たアルバム『SUMMERDELICS』は、HISASHIさんを中心に“GLAYの中でのオモチャ的なアプローチ、今の時代を切り取ったサウンド”を取り入れた作品で、逆に今回のシングル『WINTERDELICS』には、90年代から続くGLAYの王道サウンドが詰まっているそうです。

ちなみに、どちらかと言うと冬のイメージがあるGLAYですが、TAKUROさん曰く「いや恵さん、一応夏もトライしたんですよ。でも、やっぱりしっくり来るのは冬ですね(笑)」とのこと。

TAKUROさんが初めてバラードを書いたのは18才の頃で、TERUさんのお母さんから、TERUさんのお姉さんの結婚式で歌う曲を書いて欲しいということで作った曲が「ずっと2人で…」だったとか。

そして、若い頃のバラードは“僕と君”だけの世界だったのが、30代になると今度は“家族”という単位で歌うようになったそう。さらに、今回のシングルのリード曲「あなたといきてゆく」では、普通に“僕と君”のラブソングを書いたつもりが、TERUさんの歌入れを聴いているうちに自分の祖父母と重なるようになり、急遽、歌詞カードの表記を変えたそうです。

また、TERUさんはこの曲を歌う時に、結婚式の一番いいシーン、お母さんへの手紙を読むシーンをイメージしていたとか。

「よくファンの子たちから『ずっと2人で…』を(結婚式の)一番いいシーンでかけさせて頂きましたとか、『HOWEVER』をかけさせて頂きましたとか、そういう声が届くと、じゃあまた、こうやってみんなが幸せなところでかけられる音楽を提供できるように頑張ろうっていう気持ちになりますね」

ちなみに、「ずっと2人で…」や「HOWEVER」にしても、今回の「あなたといきてゆく」にしても、結婚式で使う場合に(式場との使用料の手続きは必要ですが)わざわざGLAYの事務所に連絡して許可を貰わなくてもいいですよ、勝手に使っていいですよ、とTAKUROさんはおっしゃっていました。

「ミュージシャンとしてこんな嬉しいことはないんだもん。ダメとかちょっとちょうだいとか絶対に言わないですから」

来週も引き続き、GLAYのTERUさん、TAKUROさんをお迎えします。お楽しみに!
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