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原 晋介

Shinsuke Hara略歴

1990年 大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士)。2005年から現在 大阪市立大学大学院工学研究科教授。2003年から現在 (独)情報通信研究機構研究員。無線通信方式とディジタル信号処理の研究に従事。NICTの研究員として、IEEE 802 .15.4.mban (medical body area network)の標準化活動に現在参加。

研究内容紹介

携帯電話に代表される無線通信は、とても身近な存在になっています。利便性はますます向上していますが、無線通信にはもっと多彩な用途が考えられるはずです。現在私が研究しているのは無線通信を、安全・安心なヘルスケアやスポーツ分野に応用することです。たとえば、衣服や靴の中にセンサを装着し、健康状態がわかるデータを定期的に医師のもとに送信、医師はそれをもとにアドバイスを送り返すという仕組みです。さらにセンサによって身体が動く方向も把握できますから、お年寄りの転倒といった事態でもすぐに察知して対処できます。 スポーツ分野では、センサで選手の心拍数などを監督・コーチがリアルタイムに把握すれば、きめ細やかなコンディションの管理につながり、パフォーマンスを最大化したり、選手寿命を長くしたりできるようになるでしょう。これらの研究は本学の医学部や都市健康・スポーツ研究センターとの連携で進めています。大阪市立大ならではの組織力を活かした研究と言えるでしょう。

こうした無線通信のアプリケーション開発とともに、無線通信の信頼性向上も大切な研究対象です。とくに通信の信頼性は技術的に難しく、世界的な課題となっています。有線通信と同じ安定性を確保するのは困難ですが、可能な限り近づけられる研究にも果敢に挑んでいきたいと思います。

この研究室の特色は非常にアクティブなこと。とくに海外に行くチャンスが多くあります。私自身、月に1度くらいの割合で国際会議などに出向いていますので、その際学生も連れて行きます。国際会議でプレゼンテーションをするという貴重な体験ができますから、これをモチベーションに研究に励んでほしいですね。

実は、情報科学はまだ若い学問なんです。情報理論ができて50年。今後この分野が成熟を遂げていくためには、他の分野との結びつきが不可欠です。無線通信という技術を使って何ができるのか。どう社会をよくできるのか。一度、考えてみてはいかがでしょうか。