挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営致します~ 作者:yocco

第二章 国軍御用達?の錬金術師

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
18/67

16.ハイポーションを作ろう

 先日、ダンと一緒に採取に行ってから、まだ作りそびれているものがある。それはハイポーションだ。

 ハイポーションは、薬草と栄養剤と魔力草から作る。作り方はあまり、ポーションとは変わらない。


 私は、高品質になった薬草と魔力草をちぎって、実験室に行くことにした。

 ちなみに、栄養剤は常に在庫があるようにしている。必要があれば、畑への水撒きの時に一緒に撒けるからね。


 下処理をした薬草と魔力草をみじん切りにする。そして、これらを全部栄養剤に入れる。

 そして、魔法具の加熱器の上にビーカーを乗せて、加熱し始めた。

 ビーカーの周りに気泡ができて、小さな気泡が付き始めた。


【ハイポーション?】

 分類:薬品

 品質:低品質

 詳細:有効成分はほとんど抽出されていない。


 もう少したつと、気泡が大きくなってきた。


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:低品質++

 詳細:有効成分は薄い。


 さらに経つと、時々ポコポコし始めた。


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通ーー

 詳細:葉の有効成分の抽出が不十分。


 そして沸騰前に魔道具の出力を下げてっと……。

 砂時計を使ってみることにする。


 砂時計六回分。これでも、結構待っているのだ。

【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通ー

 詳細:葉の有効成分の抽出はまだ可能。


 早く抽出する方法ってないのかなあ……。これじゃあ、一晩見てなきゃならないじゃない。


『錬金術入門』を調べてみる。

 なになに……。

『魔力を注ぐことで抽出速度をコントロール出来る』

 ……また大雑把な……。


 私は、処理中の薬液をよく撹拌して均質にしてから、三つのビーカーに分けた。

 ……控えているケイトが後ずさった気配がした。うん、また試行錯誤して爆発しないかを警戒したんだろう。失敬な(ぷんすか!)


 まずは一個目。残りの二個は厚手の布地に巻いて保温した。

 魔力操作の要領で、私の両手に魔力が集まるように意識する。

『うーん、じわじわーじわじわー。滲み出ーる』


 うん、変わらないね。

【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通ー

 詳細:葉の有効成分の抽出はまだ可能。


 うーん、と机の上に顎を乗せ、どうしようかなーと考える。

 そういえば、魔法教師のユリア先生が言っていたなあ。

『魔法とは、イメージしたものを魔力によって現実化することです。ですから、それが起こる過程や理論、より詳細な結果のイメージをすることで、起きる現象は変わるんですよ』


 ……具体的なイメージ……。

 私は気を取り直して、ビーカーに両手を添えて魔力を注ぐ。

『葉っぱに含まれるエキスが、どんどん栄養剤の中に溶けだしていく……』


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通

 詳細:葉の有効成分の抽出はまだ可能。


 あれ?マイナスが一個取れたような……。


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通+

 詳細:葉の有効成分の抽出はまだ可能。だが一般的なものより品質はいい。


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:普通++

 詳細:葉の有効成分の抽出はまだ可能。それでもそんじょそこらのものよりいい。


【ハイポーション】

 分類:薬品

 品質:高品質

 詳細:普通品質のものより1.5倍の回復量を誇る逸品。優しい甘味を感じる。


 やった!出来た!

 残りのビーカーも同様に魔力を注ぎ、高品質なものを得ることが出来た。


 結果、ポーション瓶五個分のハイポーションが出来たのだった。


 ◆


 その日の夕方になって、昨日、マナポーションについて、「明日これを国で買い上げられるように交渉する!」と意気込んでいたお父様が、落ち込んで帰ってきた。交渉が上手くいかなかったというより、騎士団の方から横槍が入ったそうだ。

『なんで魔法師団だけがそんないいものを購入するんだ!だったら俺たちだって品質の良いポーションやハイポーションが欲しい!』

 ……と、子供の喧嘩のような文句が騎士団側から上がったのだという。


「まあなあ、お互いに命懸けでやっているし、良いポーションが欲しいのはわかるんだが……」

 お父様がため息をついて呟いた。


「そういえば、今日やっとハイポーションの高品質なものが出来ましたけど……。品質1.5倍です」

 と、テーブルに突っ伏してうなだれるお父様に呟いてみた。


「それだ!」

 ガバッとお父様が顔を上げた。

「お前も来い、デイジー!明日もう一度掛け合ってみよう!」

 私は明日お父様と一緒に王城へ行くことになった。

下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)


駆け出し作家の身ではありますが、すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。

評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


感想もいただけたら、とっても喜びます"(ノ*>∀<)ノ

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。