挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営致します~ 作者:yocco

第一章 家の離れの錬金術師

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
7/67

05.ポーションを作ろう①

 私は今日も自室で『錬金術入門・上』を読んでいる。

 今日は、ちゃんと椅子に座って机に向かって本を開いている。

 だって、今日始めようと思っているのはポーション作り!自然と背筋も伸びるというものです。


「ポーションの材料は、癒し草と魔力草と水……」

 どうしたら手に入るのかしら……。


 私は庭師のいる離れの小屋までポテポテ歩いていって、庭師のダンを訪ねた。

「こんにちは、ダン」

 突然の小さな来客に驚くダン。

「おや、デイジーお嬢さま。わたくしめに何か御用ですかな?」

「癒し草と魔力草が欲しいのだけれど、どうしたら手に入るのかしら?」

 首を傾げてダンに質問する。

「それは街へ行って、薬草屋で買うのがいちばん手っ取り早いですね」

 ダンはそう教えてくれた。


 ……じゃあ、お母様の許可が必要ね。


 お母様が昼間居そうな居間へ行く。お母様はエリーと一緒に刺繍中だった。

「あら、デイジー。どうしたの?」

 針を動かす指を止めて、私に視線を向ける。


「ポーションを作りたいのですけれど、それには癒し草と魔力草が必要なんです。ダンに聞いたら、薬草屋で売っていると聞きました」


 それを聞いてお母様は少し困ったように首を傾ける。

「デイジーはまだ五歳。街に買い物に行くのは早いわよね……」

 うーん、と言って思案顔だ。そこへ、そばにいた侍女のエリーが言葉を挟んだ。


「奥さま、手の空いた侍女を使いに出せば良いのでは?」

 そうね、と、ぽんと手を叩いて頷く母様。


 こうして、私は六束の癒し草と三束の魔力草を手に入れることが出来た。


 ◆


「うーん、でも新鮮じゃないのよね、これ」

 実験室に移動しながら、受け取った癒し草と魔力草を眺めて呟く。

【癒し草】

 品質:普通 ー

 詳細:採取から少し経っている。少ししなびている。


【魔力草】

 品質:普通 ー

 詳細:採取から少し経っている。少ししなびている。


 ……良い素材を手に入れる方法はまた後で考えるかなあ。


 実験室に着いた。

 まずは、癒し草と魔力草をよく洗う。

『錬金術入門・上』には、癒し草と魔力草と水を2:1:2の重さで抽出すると書いてある。


 私はビーカーに入るサイズに荒く刻んだ癒し草と魔力草と水を入れて蓋をし、一晩放置してみた。もちろんお水は蒸留水を使った。


 翌日。

 できたものを鑑定してみた。

【ポーション???】

 品質:超低品質

 詳細:薄い。有効成分がほとんど抽出されていない。これを飲んでも何も治らないだろう。


 ……まず、『???』って何。

 ちょっと待って、本のとおりに作ったのに!


 クルクルかき混ぜた方がいいのかなあ、と思って、スプーンでかき混ぜてみた。


【ポーション???】

 品質:超低品質

 詳細:やっぱり薄い。有効成分がほとんど抽出されていない。これを飲んでも何も治らないだろう。


 ……本に書いてあることだけでは足りないってこと?

 非常に困ったことになった。錬金術では、試行錯誤することが必要なのだろうか。


 葉っぱをすりつぶす?乾燥させたものを浸す?水を加熱する?

 考えるだけなら、色んな案が浮かんでくるけど……。


 そういえば私は、買ってもらった本の一冊を齧っただけよね。ちゃんと三冊読んだら答えが書いてあるかしら?

 私は一度基本に戻って、本を読破してみることにした。

 買ってもらった残りの癒し草と魔力草は、少し湿った地下に掘られた保管庫に入れておくことにした。

下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)


駆け出し作家の身ではありますが、すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。

評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


感想もいただけたら、とっても喜びます"(ノ*>∀<)ノ

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。