今年5月、与党・共に民主党の尹美香(ユン・ミヒャン)議員=韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)前代表、=の寄付横領疑惑を最初に問題提起した元慰安婦・李容洙(イ・ヨンス)さん(92)は、尹議員起訴のニュースが報じられた14日、「法が判断してやるだろうから、尹美香については話したくない」と語ったとのことだ。
李容洙さんに近いある人物は「尹議員起訴のニュースを伝えたが、李さんは見解を明らかにすることを望まなかった」「いくら憎くても30年間(共に)過ごした人が起訴されたことは(李さんにとって)良いニュースではないだろう」と語った。
李容洙さんは5月7日と25日の2回、記者会見を開き、挺対協=日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)の前身=と尹美香議員について「30年間にわたり芸は熊(慰安婦たち)がして、金は熊使い(挺対協と尹氏)が取った」「元慰安婦たちを前面に押し出して、学生が豚(の貯金箱)をはたいて出した金まで受け取りながら、肝心の元慰安婦たちのためには金を使わなかった」と強く批判した。
別の元慰安婦・吉元玉(キル・ウォンオク)さん(92)の嫁チョさんは「このまま正義連の捜査にふたをしてしまうのではないかと心配していた」と語り、尹議員起訴について「ありがたいこと」と言った。重度の認知症である吉元玉さんは正義連が運営するソウル・麻浦の慰安婦憩いの場に最後まで残っていたが、正義連の寄付流用や横領疑惑が浮上すると、6月に養子のファン牧師の家に移った。
チョさんは「義母は認知症で、今の状況を全く知らないが、かえって幸いだ。先月、仁川の病院で義母の認知症の精密検査をしたところ、医師は『判断力が10%しか残っていない』と診断した。ときどき、義母は頭がはっきりした時に『私は利用された』と言っている。その言葉を聞いて、夫と一緒に大声で泣いた。正義連を許してやりたくても、正義連の方でまず過ちを認めてこそ、許すことができるのではないか」と話した。チョさん夫妻は政府やソウル市などが吉元玉さんに毎月支給してきた補助金300万ウォン(約27万円)のうち、かなりの額を挺対協と正義連側が流用したとの疑惑を提起している。