かつて希望の党から立候補して落選した橋本氏は、ツイッターでさまざまな暴論をたれながしては批判されてきた。
ドナルド・トランプ「漂白剤注射」安倍晋三「アビガン承認」橋本琴絵「正露丸注射」吉村洋文「イソジン」 - 法華狼の日記
今度は皇胤すなわち男系子孫を安定させるためだけに一個師団の妊婦を公募すべきと主張し、批判され困惑された。
さらにタイやカンボジアの王室では側室が認められているのに、日本のそれを批判するのはレイシストだからと主張した。
[B! 天皇制] 橋本琴絵 on Twitter: "側室制をタイ王室やカンボジア王国でしても無批判だが、日本の皇室となると批判するのは、レイシストだからです。 レイシストはあの手この手で差別を画策するので注意しましょう。"
すでに批判されているように両国が多数の側室をもつことは伝統的ともいいがたく、特にタイでは不人気な現国王が復活させた制度だ。
誤解をおそれずにいえば、そもそも子孫を残すだけならば結婚にこだわる必要はない。
フランスなどヨーロッパの先進国で少子化が鈍化している一因として、婚外子を文化*1と制度の両面で差別していないことがよくいわれる。
人口減少にどう構えるか-その2 ヨーロッパと日本の婚外子比率。 - Executive Foresight Online:日立
現在ヨーロッパで婚外子比率が高い国は、たとえばフランスで57%です。
日本の婚外子比率はどうでしょうか。わずか2.3%です。これは、私たちの感覚でもそんな印象ですよね。先進国の中で日本より婚外子比率が低い国は韓国だけで、1.9%。これは技術とか経済といった問題ではなく、人間や社会で共有されている価値観といった文化的な理由が大きい。
少なくとも経済的に婚外子に不利益がないような社会をつくっていくのは大切なことだと思います。
婚外子を差別しないPACS(民事連帯契約)も導入することで、婚外子のハンデをなくしました。これらの取り組みが少子化に歯止めをかけたのは間違いない。ところが、日本だと文化的背景もあって、いくら言ってもそう簡単には変わらない。
一夫一妻制度の日本でも、ひとりの未婚者が多数の相手と合意して性行為することは何ら問題にはならない。それにより多数の子供が生まれた時に認知する制度もある。
側室制度などを導入しなくても、多くのパートナーと子供をつくること自体は現代日本でも可能なのだ。子孫を残すことばかり目的にした関係で、対等な合意がありうるのかは別問題として。
そんなことを思いながら橋本氏のツイートを見ていると、トランプを批判するような左翼は自由恋愛を徹底すれば淘汰される容貌だと主張していた。
「トランプ支持者は高卒」と日本の民放が放送した件についてだけど、私から言わせるとトランプをディスっている層って「非モテ=淘汰される劣悪遺伝子=異性から選択されない」なんですよね。
— 橋本琴絵 (@HashimotoKotoe) 2020年9月10日
顔とか、顔とか、顔とか。「左翼」って「結婚して子どもを産まなければならない」とする社会圧力の産物のように思える。徹底した自由恋愛を国家が徹底すれば(お見合い・婚活サポート業の違法化)、「仕方なく作った命」も減って、昔みたいに左翼がいない世界になると考えている。
— 橋本琴絵 (@HashimotoKotoe) 2020年9月10日
「仕方なく作った命」と「結婚」の相関を見いだし、自由恋愛を求めるのは保守派としてはユニークな主張に思える。それを徹底するにあたって国家の介入を求める発想は保守派らしいにしても。
そもそも「結婚して子どもを産まなければならない」という社会通念は左翼こそが批判してきたし*2、結婚による家系の存続をもとめて社会を世帯単位でとらえてきたのは右翼だ。
橋本氏の主張を延長すれば、わざわざパートナーの「女性たちを公募」したり、パートナーになることを「女性から言わなければならない」と呼びかける必要がある家系こそ、自由恋愛なら淘汰されるはずではないか。