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即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 作者:藤孝剛志

第6章 ACT2

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23話 幕間 盾の縁にチェーンソーが自動発生します!(6章完)

「この子かー、考えるだけで殺せるってのはー」

「だねー、まさにチート、即死チートだねー」


 マルナとリルナは、洋子に真実を告げたあと、船での出来事を見物していた。

 洋子がこれからどうするのかに興味があったのだ。

 だが、これから何かをしようとしたところであっさりと死んでしまった。

 高遠夜霧。

 即死能力を持つ少年と出会い、返り討ちにあってしまったのだ。

 夜霧はその後も、襲ってくる者を片っ端から返り討ちにして仲間と合流し、多少のトラブルはあったものの出会う敵のほとんどをあっさりと殺して船から飛び立っていった。


「あの龍ってまだいたんだね。とっくに滅びたのかと思ってたよ」

「だよね。私たちに負けて逃げていったのかと思ってたよ」

「夜霧くんだけど、どうするー?」

「どうしよっかー。なんか、私らの用意したの続けて殺されちゃって」

「うん。なんか負けたような気がして悔しいよねー」


 彼女たちにはこの世界を管理する神としての自負がある。

 直接対峙すれば、人間ごときなど相手にならないと考えていた。

 つまり、殺すつもりになればいつでも殺せると思っているのだ。

 だが、そこまでしてしまえば、神としては負けだとも思っている。

 気に入らない人間がいたとして、神が直接手を下すなどあってはならないのだ。

 神は世界に対して万能に近い力を持っている。

 だが、だからこそ好き放題に力を使うことはできなかった。

 それをしてしまえば世界に秩序はなくなる。

 世界を管理するものとして失格の烙印を押されることになるだろう。

 神々の間での評価は下がり、その資質を疑問視されることになる。

 好き勝手にやっているように見えるマルナリルナではあるが、これでも自重しているのだった。


「じゃあ、夜霧くん用に新しいの用意しようか!」

「そうだね! ありものばっかりも貧乏くさいしね!」

「お小遣い残ってる?」

「うーん。こないだ使いすぎたかも」

「じゃあ無理のない範囲でやろう!」

「うん。数人ならいけるよね!」

「キャラはどうする?」

「うーん。やっぱりボーナスの付く転移者かなー」

「少数民族補正もあなどれないよー?」

「転生もボーナスあるけど育つまで時間かかるし」

「産まれてすぐ、もう強制的に成長させちゃえば?」

「意味ない! 転生の意味ないよ、それ!」

「思ったんだけど」

「なに?」

「調子に乗っちゃうやつだめだよね!」

「わかる!」

「でも、そっちの方が見てるのは面白い」

「それもわかる!」

「元の世界でしょぼかった人はね、やっぱ駄目な感じだよね」

「うん。もっとはっちゃけてもいいのにね」

「守りに入っちゃうっていうか」

「スローライフとか言われるとさ、もう君何しに来たの? 異世界なめてんの?」

「言いたくなる!」

「今度言いに行こっか!」

「いいね! 行こう!」

「あ、脱線してる!」

「そうだった。夜霧くんキラーの話だった!」

「キャラはまあ、市場で考えよっか。掘り出し物あるかもしれないし」

「先に能力考えちゃう?」

「うーん、キャラありきって部分もあるけれど。方向性ぐらいは決めといてもいいかもね」

「うん。能力に合わせてキャラ選ぶのでもいいしね」

「掘り出し物があれば、それに相応しい能力にしてもいいし」

「じゃあ、とりあえずは、適当に選んだこの子に付けてみよう」


 マルナが適当に対象者を決め、リルナが了承した。


「で、どーゆーのにする?」

「即死に対抗するのかー」

「やっぱ即死耐性いるよね?」

「超耐久系か。これまでやってなかったね」

「耐性系スキルは全部盛っちゃおう!」

「石化、毒、睡眠、麻痺、即死、凍結、燃焼、魅了。状態異常はこんな感じかな」

「オート回復は当然として、オート蘇生もね」

「絶対防御フィールドも付けたいな。あのエフェクト好きなんだ。ガキン! って反射する感じ」

「絶対防御っていいながら、一定ダメージを無効化するだけのやつね!」

「成長傾向は防御力極大だね!」

「それだと攻撃力は伸びないけど、いいの?」

「大丈夫。フルカウンター。これつけちゃおう!」

「攻撃手段カウンターだけなの? お見合いになっちゃわない?」

「シールドバッシュもつけよう」

「あ、じゃあ盾両手装備も!」

「ぷぷっ。二盾流って!」

「あ、足にも付けられるよ、盾」

「じゃ両手両足で、四盾流だ!」

「背中にも付けられるけど……」

「それはくどいかなー」

「四個でも相当くどいよー。もう盾人間だよー」

「あ、盾に棘つけとこうっと」

「え、なんなの。この子盾持つと棘が生えてくるの!?」

「うん。刺さるよ。超、刺さるよ!」

「はいはーい! それありならチェーンソー付けたいです!」

「どこに?」

「盾に」

「もう盾じゃないよね! けど面白いからいいか!」

「じゃ、盾の縁にチェーンソーが自動発生します!」

「それ投げさせたい……投げてもいいよね!」

「じゃあ、自動で戻ってくるようにしよう!」

「だったら乗ってもいいんじゃない?」

「じゃあ、盾に乗って移動するってことで」

「なに? 盾を投げて、それに飛び乗るの?」

「乗る。素早く乗る!」

「機敏だ」

「機敏だね!」

「でも、行ったり来たりするだけだね!」

「そうだね、投げたら戻ってくる能力だしね!」


 こうして女神マルナリルナに目を付けられたどこかの誰かには、謎の能力がいきなり発現することになった。

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