保護者が校舎消毒します 府中市立府中第五小で自主組織が初出動「教員の負担軽減に」

2020年9月12日 06時42分

教室の出入り口を消毒する保護者たち=府中市で

 新型コロナウイルスの感染から子どもたちを守るとともに、教員の負担軽減につなげようと、府中市立府中第五小学校で、保護者がボランティアで校舎を消毒する取り組みが始まった。保護者有志が結成した「スクールサポーター」の活動の第一弾。平日の放課後に参加できるメンバーが来校し、教室の出入り口などを消毒する。(服部展和)
 スクールサポーターはPTAとは異なる自主組織で、八月下旬に発足した。希望する保護者が事前にメンバー登録し、各メンバーは来校日をメールで伝える。自身の都合に合わせて参加できるのが特徴だ。同校に子どもが通う五百九十世帯のうち、六日現在で六十五人が登録している。
 活動初日の七日は、保護者十四人が来校。教室の出入り口や階段の手すり、トイレの扉など不特定多数が触れる場所に家庭用洗剤を吹き掛け、ぞうきんで念入りにふき取った。四年生の長女が通う中島志穂さん(44)は「子どもたちや先生のため」と汗を流した。
 同校によると、新型コロナの感染拡大による長期休校の影響で、授業が始まった六月以降は過密スケジュールを余儀なくされている。教員は授業の準備に加え、放課後に四十分ほどかけて校舎を消毒するなど負担が大きくなっていた。そこで保護者から「手伝いたい」との声が上がり、サポーターが結成された。
 元小学校教員でサポーターの事務局を務める岸祥子(しょうこ)さん(43)は「教員だった当時に保護者や地域の人に助けられた経験があり、恩返しをしたかった」という。布宮英明校長は「感謝の気持ちでいっぱいだ。先生の時間が確保できる分、授業の充実につなげたい」と強調した。
 感染防止のため、本年度のサポーターは保護者に限っているが、将来は地域住民も登録できるようにするという。学校行事の手伝いなど活動の幅も広げる予定だ。

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