神奈川県庁=横浜市中区で2019年2月、山本明彦撮影

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 神奈川県は新型コロナウイルスで深刻な打撃を受けている観光産業を支援するため、10月8日から、県民を対象に県内旅行の代金を最大で7500円補助する独自の事業を始める。政府の旅行需要喚起策「Go Toトラベル」と併用できる。宿泊施設など受け入れ側には感染防止対策の実施を条件とする。

【図解】GoTo支援金、どう給付される?

 県によると、補助は「地元かながわ再発見」推進事業として実施する。金額は宿泊旅行で1人1泊あたり最大7500円、日帰り旅行で1人1回あたり最大5000円。効果が偏らないようにするため、観光客が集中する横浜市、鎌倉市、箱根町を訪れる場合は宿泊で1人1泊あたり最大5000円、日帰りで1人1回あたり最大3000円の補助とする。

 新型コロナの感染拡大を助長しないよう、県は宿泊施設など受け入れ側に、県が推進する「感染防止対策取組書」の掲示を義務付けるほか、それぞれの業界のガイドラインに沿った対策を求める。旅行者にもマスクの着用やソーシャルディスタンスの確保といった感染防止対策の徹底を求める。

 事業は近畿日本ツーリスト首都圏を中心としたJV(共同企業体)に委託しており、参加する旅行会社や宿泊施設は登録制とする。特設サイトが開設され、旅行代金から県の補助分が引かれた金額でパックツアーなどの旅行商品が販売される予定という。期間は2021年2月末までだが、6月補正予算で計上した事業費10億4975万円に達した場合は終了する。利用回数の上限はない。【木下翔太郎】