魚鱗癬
皮膚病の1つ。「魚の鱗のように」皮膚の表面が硬くなり、剥がれ落ちる病気。
遺伝子異常による皮膚表面角質の形成障害が原因と考えられている。
発症者は耐え難い痛みや熱、極度の「かゆみ」に襲われる。
根本的な治療法はまだ見つかっていない。
伝染性は全くないが外見の印象が強い症状であるため、差別・偏見の対象として問題になっている。
鼻壊疽/悪性腫瘍
インドネシアはのトゥミニさんは、「顔面が徐々に消失していく」奇病を患っている。
顔面の中央にぽっかりと開いた穴は直径が10~15cm、深さは7~10cmで、
顔面に辛うじて残っているのは額と顎だけ。始終疼痛がつきまとう。
彼女は世界で最も苦しんでいる女性のひとりと言われる。
鼻壊疽という鼻腔から発生する悪性リンパ腫の一種の可能性があるそうだが、原因は不明。
自宅の療養では痛み止めが精一杯だという。
奇跡を信じていると夫は語るが、顔面の崩壊が止まる気配はない。
ハーレクイン魚鱗癬(道化師様魚鱗癬)
魚鱗癬の中でも特に重篤といわれるもの。
この奇病を患いながら2004年にトライアスロンに挑戦したイギリスの青年が存在し、奇跡と呼ばれた。
彼の皮膚は常人の数倍のスピードで角化して剥がれ落ちていくため毎日7500kcalを消費してしまい、
寝ている間もチューブを通してタンパク質を摂取しなければならない。
それでも笑顔を見せて水泳の練習に打ち込む彼の姿は、全世界の難病患者に希望を与えた。
プロテウス症候群
世界で200例しか確認されていない奇病。
年齢と共に皮膚や骨、筋肉や脂肪組織が肥大する。中でも頭蓋骨の変形が多いとされる。
原因は不明だが、発生初期の細胞に偶然生じた遺伝子変異が原因で、
生後その変異細胞由来の組織が正常細胞の間でモザイク状に異常増殖する病気だとの仮説が立てられた。
その後の研究でプロテウス症候群の原因遺伝子がAKT1(ガン遺伝子として有名)であると分かった。
全身性脱毛症
円形脱毛症はよく知られている症状だが、
この円形脱毛症には段階があり、同時にいくつも発生すると多発型、頭部全体に広がると全頭型などと呼ばれる。
全身のあらゆる毛が抜け落ちるようになると「全身性脱毛症」と呼ばれるようになる。
これらの脱毛現象が起こるメカニズムは、自己免疫疾患であることが分かっている。
本来外部から侵入したウイルスや細菌などを攻撃して体を防御する役割のリンパ球が異常をきたして毛根を攻撃してしまう。
これにより毛根組織が萎縮して毛が抜け落ちてしまう。
集面部缺損大成
口蓋裂をはじめとした各種疾患が顔面に集中する奇病。
中国・江西省の唐三妹は口蓋裂から始まり、
眼瞼外反、下眼瞼近内眥処開裂、鼻涙管消失、前顎上翹,鼻孔外翻、前唇短小上翹など、
さまざまな顔面疾患が複合的に絡み合っている。
彼女は生まれつき顔面が崩壊しており、表情も作れない為食事にも会話にも困難を伴った。
表に出させてもらえない彼女はほとんど世の中とは断絶した暮らしを強いられてきた。
後に非営利団体による援助を受け、顔面再建の手術を受けた。
先天性骨質増生
単眼症
先天奇形の一種。
本来2個ある眼が顔面の中央に1個しか形成されず、鼻の位置や形も異常を呈するか無形成となる。
脳の形成異常に伴う重症の奇形で症例はごく稀であり、ほとんどが死産もしくは出生直後に死亡する。
受胎後5~10週目には前脳胞という部分が2つに分離して大脳の左右両半球が形作られるが、
この過程が阻害されると大脳が左右に分割せず、ひとかたまりのまま低形成に至る。
原因は染色体異常と遺伝子変異によるものであり、またビタミンAの摂取不足が上げられる。
単眼症児は生誕してもほとんどが1年以内に死亡するため、詳細はわかっていない。
超音波などによる出生前診断によって事前に知ることができる。
蜘蛛指症
幸福顔貌骨異形成症
世界で30例しか報告されていない奇病。
遺伝性の骨異形成疾患で、身長が伸びず手足が極端に短くなる。
また、皮膚が肥厚し、間接が変形してしまうため運動に制限を受ける。
特に脚と腰の関節可動域制限によってつま先で歩くようになる。
「幸福顔貌」と呼ばれる由来は患者の容貌が特徴を持っていて、楽しそうな顔に見えることからきている。
⇐イギリスのフィンドレー姉妹
先端巨大症
脳の下垂体前葉の成長ホルモン分泌腺細胞がその機能を保ったまま腫瘍化し、
成長ホルモンが過剰に産生され、体の部位が肥大する病気。
「巨人症」と一般に称される状態はこの病気であることが多い。
発症頻度は100万人あたり40~60人程度。
これ自体には生命の危険は無いが、先端肥大症を放っておくと、死亡する確率が2倍以上になり、
寿命が10年前後短くなると言われている。
マルファン症候群(MFS)
常染色体優性遺伝の形式をとるフィブリンと弾性線維の先天異常症による遺伝障害。
マルファンはドイツ語式発音によるもの。
細胞に弾力性を減少させ大動脈や網膜、硬膜、骨の形成等に異常をもたらす。
発生頻度は全ての人種と男女にかかわらず3,000~10,000人あたり1人といわれる。
⇐ウクライナのリュドミラ・ティチェンコバ(16歳)
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