滋賀大データサイエンス学部1期生の学生ら2人が、データ分析や人材育成などを手掛けるベンチャー企業を彦根市で立ち上げた。国内で初めて設置された同学部では実際の企業データも扱う。研究で培った実践力を生かして「地域企業の活動に貢献して共に発展していきたい」と意気込む。
代表社員の4年井本望夢(みゆ)さん(21)が6月、知人と2人で合同会社「mitei(ミテイ)」を設立した。研究を進める中で、データを読み解いて活用できる人材が少ないと感じ、データ活用による課題解決のサポートをしたいとの思いから起業した。
主な事業として、マーケティング分野を中心に、中小企業や自治体などに対してデータ分析や分析結果を基にしたコンサルティングを行い、業務をサポートする。現在、彦根市内の企業のデータ分析に取り組んでおり、会員制交流サイト(SNS)上のキーワードから企業イメージを特定し、商品開発に生かすという。
教育事業では、企業や学生などを対象にデータ分析やプログラミングのスクールや講演会の開催を予定している。
井本さんは「企業の担当者と丁寧にコミュニケーションをとることで、より企業に合った提案をしたい」とし、「5年後には大学に1千万円を寄付できるような収益を出したい」と意欲を見せる。
大学から施設貸与や他企業への仲介などの支援を受けることができる「滋賀大学発ベンチャー」にも認定され、大学を拠点に活動している。「将来的には自分たちの力で企業を大きく伸ばしていきたい」と語る。