新型ウイルスの影響、貧困国と先進国で大きな差=BBC調査

A woman holding a child reacts as she sits with migrant labourers during a protest held against the government's coronavirus measures
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新型ウイルスのパンデミックの影響は特定の人々で特に大きい状況が浮かび上がった

新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)は貧しい国により大きな影響を及ぼし、世界的に格差を広げていることが、BBCの調査で明らかになった。

BBCワールド・サービスの今回の調査は、新型ウイルスのパンデミックのさなかの今年6月、グローブスキャン社が実施。27カ国の計2万7000人超に、新型ウイルス感染症COVID-19と生活への影響について聞いた。

その結果、収入が減ったと答えたのは先進国では45%だったのに対し、貧困国では69%に上るなどの状況が明らかになった。

グローバルスキャンのクリス・クルター最高経営責任者は、「今回のパンデミックでは誰もが同じ目に遭っているといわれてきた」と説明。

「私たちの調査では、その反対の結果となった。多くの国で、社会的に不利な立場の人たちが最も大きな影響を被っている」とBBCに述べた。

国によって大きな違い

調査では、パンデミックの影響が貧しい国々において深刻で、格差を悪化させていることが浮かび上がった。

国家間の差は、経済協力開発機構(OECD)に加盟する富裕37カ国と、それ以外の国々の間で顕著だった。

A graphic showing how Covid-19 affected people in different countries
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新型ウイルスの影響を各国の人々がどう感じているかの調査。赤茶色は「大きい」、オレンジ色は「そこそこ」、青色は「少し」、灰色は「まったくない」

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新型ウイルスで収入が影響を受けたと答えたのは、OECD加盟国では45%だったのに対し、非加盟国では69%に上った。

全般的に、欧州や北米よりも、南米やアジア、アフリカで、新型ウイルスによって大きな影響を受けていると回答する人が多かった。

経済的に影響を受けていると答えた人の比率が高かったのは、ケニア(91%)、タイ(81%)、ナイジェリア(80%)、南アフリカ(77%)、インドネシア(76%)、ヴェトナム(74%)だった。

Relatives pray for a loved one during a funeral for victims of Covid-19 in Jakarta, Indonesia
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インドネシアは新型ウイルスの死者が多いアジアの国の1つだ

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それらの国の低所得者層のほとんどが、保有する金銭の減少に見舞われていた。

ただ意外にも、オーストラリア、カナダ、日本、ロシア、イギリスでは高所得者層のほうが、所得の少ない人より経済的な影響をより受けていた。

世代間の差

調査ではまた、パンデミックが若者と高齢者の格差を大きくしていることもわかった。

状況が厳しくなっていると答えた人は、若年層により多かった。パンデミックで就労や社交、教育の機会が少なくなっていることが原因とみられる。

A graphic showing how people in different age groups around the world were affected by Covid-19
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新型ウイルスの影響を各世代(上から「ジェネレーションZ」、「ミレニアル」、ジェネレーションX」、「ベイビーブーマー以上」)がどう感じているかの調査。赤茶色は「大きい」、オレンジ色は「そこそこ」、青色は「少し」

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ジェネレーションZ(1990年代半ばから2010年代初めまでに生まれた世代)の55%と、ミレニアル(1980年代初めから1990年代半ばまでに生まれた世代)の56%が、パンデミックで大きな影響を受けていると感じている。

同様の感覚を表明したのは、ジェネレーションX(1965~1980年に生まれた世代)では49%、ベイビーブーマー(1946~1964年に生まれた世代)だと39%に減った。

経済的影響が最も大きかったのはジェネレーションZで、63%が収入に変化があったと答えた。対照的に、ベイビーブーマーで収入に影響があったと回答したのは42%にとどまった。

高齢世代のほうが総じて被害が小さい。身体的にも経済的にも影響を受けていないと回答したのは世界で39%だったが、ベイビーブーマー以上の世代では56%に上った。

女性と男性では

その他の主な結果は以下のとおり。

  • パンデミックで経済的に影響を受けたのは57%。
  • 女性のほうが男性より、経済的に大きな影響を受けていると答えた人が多かった。男女差が大きかったのは、ドイツ(女性32%、男性24%)、イタリア(女性50%、男性43%)、イギリス(女性45%、男性38%)。
  • アメリカ人で自らや家族がCOVID-19を患ったことがあると回答したのは、白人が7%だったのに対し、黒人は14%だった。
  • 子どもがいる人の57%が大きな影響を受けていると答えた一方、子どもがいない人で同様の感覚を表明したのは41%だった。
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