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コロナ患者への抗凝固剤使用で米試験開始-血栓形成を阻止

  • NIHが2つの試験主導-米政権の「ワープ・スピード作戦」の一部
  • 入院患者と非入院患者が対象、試験結果「数カ月」後に判明の見込み

米国の研究者は新型コロナウイルス感染症(COVID19)患者の血栓形成を阻止する抗凝固剤の使用について2つの臨床試験を開始した。血栓が脳卒中や心臓発作、臓器障害を引き起こす懸念について、医師らはコロナ感染拡大の初期段階で認識していた。

  米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長が10日、記者団との電話会議で語ったところによると、治験は1つが入院患者対象で、もう1つが非入院患者向け。試験は新型コロナの治療薬・ワクチン開発加速に向けたトランプ米政権の「ワープ・スピード作戦」の一部。

  今回の試験を主導するNIHの国立心肺血液研究所のゲイリー・ギボンズ所長は集中治療を受けるコロナ患者の間で血栓が形成される割合は約2-3割と、「際立って高い」と説明した。集中治療を受ける他の患者もその間の約5-10%に血液凝固が確認されるという。

  ギボンズ所長は試験の結果が「数年後ではなく数カ月」後に判明すると見込んでいるとした。

  入院患者は血液抗凝固剤ヘパリンを低用量または高用量投与され、非入院患者はアスピリン、アピキサバン、プラセボ(偽薬)のいずれかを投与される。また、非入院患者で合併症を発症する人に共通の遺伝形質があるかどうかも調べる。

原題:
Covid’s Deadly Clotting Spurs U.S. Trials of Two Blood Thinners(抜粋)

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