山口県下関市と中国・青島とを結ぶ国際フェリーを運航するオリエントフェリー(下関市)は12月末で運航を一時休止する。下関港と青島港を週に2往復しているが、衣類などの輸入貨物と旅客数が減少していた。運航再開の時期は現段階では未定で、同社は市場の回復をにらんで判断するとしている。
オリエントフェリーが運航する「ゆうとぴあ」(2万6906トン)はコンテナによる輸入を中心に手掛けており、中国で生産される衣料品が主要貨物だった。同社によると中国の人件費高騰で生産拠点がベトナムやミャンマーに移転。これに伴い貨物量が減った。
輸入コンテナ数はピーク時の2006年は1万8千TEU(20フィートコンテナ換算)だったが、14年は9千TEUに半減した。
旅客数もリーマン・ショックや東日本大震災の影響などで減少。08年は1万3500人にのぼったが昨年は9200人に落ち込んでいた。最近は全国的に中国からの来日客が増えているものの、「多くは航空機を利用している」とみており、同社フェリーの旅客数にはあまり寄与していないという。
下関市の中尾友昭市長はフェリーの休止について「地域経済への影響は大きい。再開に向け最大限努力する」と語った。
オリエントフェリーは1998年に定期運航を開始した。今年12月24日青島発、26日下関着の便を最後に休止する。