知らず知らずのうちに危険も招く? 周囲に嫌われるNG運転 5選

 誰もがスムーズな運転を心がけています。安全運転のため共存共栄が必要不可欠な道路では、周りに迷惑をかけない運転を心掛けたいものだ。

 しかし、意図的にやっているのではなく無意識となれば、やっている当人はまったく気づかない。それだけに結構厄介だ。

 運転していれば前走車の動きにハッとして肝を冷やした、という経験は一度や二度ではないハズ。でも何もなかったからと言って、それをスルーするのは危険だ。

 初心者だけでなくベテランドライバーでも知らず知らずのうちに周囲から嫌われる運転をしているケースもある。この嫌われる運転を把握することは、トータル的に見て安全運転にもつながる。

文:永田恵一/写真:TOYOTA、平野学、池之平昌信、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部

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高速道路の追い越し車線を延々と走行

 そもそも高速道路で追い越し車線を走行し続けるのは違法で、取り締まりの対象となる。2kmまでは連続で走ってもいい、という情報もあるが関係ないと思ったほうがいい(明らかにそれ以下でも取り締まられたケースあり)。

 高速道路の追い越し車線は追い越しが完了したら、速やかに走行車線に戻る、というのが高速道路走行のルールに変わりない。

高速道路の追い越し車線は、追い越しが完了すれば速やかに走行車線に戻る。流れがよくて空いているからと言って走り続けてはいけない

 最も厄介で嫌われるのが、80~100km/hくらいの速度で追い越し車線を走り続けているドライバーだ。そして多くの後続車を引き連れている形になっているが我関せず。

「空いていて走りやすい」、「車線変更するのが面倒」という理由から走っている人もいれば、何も考えずに無意識に走っている人もいる。なかには「法定速度内で走行しているのに何が悪い」と主張する人も。しかし、追い越し車線は走行車線ではないことを認識すべきなのだ。

 追い越し車線をノロノロと走っていると、今問題になっている煽り運転の被害に遭う可能性も高くなることも頭に入れておきたい。

高速道路の追い越し車線は2kmまで連続で走っていいと認識している人は多いが、それよりも短くても取り締まられるケースもある

視界のいい夜間にリアフォグの点けっぱなし

 リアフォグランプ、バックフォグランプ、リーディングランプなどこれらはすべて保安基準で定められている後部霧灯の名称だ。

 濃い霧、豪雨、雪など視界不良の時に点灯することで後続車に自車の存在を知らせるランプだ。だから必要な時に身を守るためにも点灯するのは当然のことなのだが、使用方法を間違えると迷惑以外何物でもない。

3灯のうち一番左側がリアフォグ。尾灯に比べてはるかに光が強く眩しいのがわかるハズ。この状態で延々と運転させられるとストレスもマックスだ

 リアフォグランプは使用目的からわかるとおり光の直進性が強い。視界のクリアな夜間に点灯されると、眩しいのと鬱陶しいのとで後続車は大迷惑。抜くに抜けない状況で延々と後ろを走らされたらストレスはたまるいっぽうで、最悪事故の要因にもなりかねない。

 必要のない時にリアフォグを点けっ放しで走行することは、後続車を拷問に合わせているのと同じことだと認識してほしい。

 知っていてやっている『灯火類点けたがり君』は一定数いて言語道断だが、点いていることに気づいていない人がほとんど。知らず知らずのうちに他人に迷惑をかけているのだ。

クルマによって点灯方法は違うが、スイッチを採用しているクルマは多い。表示は光が下向きなのがフロントフォグ、並行なのがリアフォグ

 フロントフォグと違ってリアフォグは走行中に点灯しているか車内からはわからない。しかしリアフォグ点灯時にはメーターパネルにインジケーターが表示されるので、ドライバーは認識可能だ。

 リアフォグが搭載されるクルマの場合、必要な時に点灯できるようにするためにも、どのようにすると点灯するのかを一度取扱説明書を見ながら確認しておきたいものだ。

ブレーキを頻繁に踏む

 観光地などでごく普通に流れている直線道路を走っているのに頻繁にブレーキを踏むクルマに遭遇することがある。また知らない道を走っている時にそうなる人もいる。

 これは周りをキョロキョロ見たり、よそ見しているケースが多い。注意が散漫になっている時はブレーキを踏む回数が増えるので注意したい。

車間距離を詰めて走る人は癖になっている人も多い。前のクルマの動きに合わせてブレーキを頻繁に踏むので、その後ろを走るとかなり迷惑

 厄介なのは次の2タイプ。

 まずひとつめが、運転中に車間距離を詰めすぎるドライバー。この手のドライバーは前のクルマの動きに過敏に反応して頻繁にブレーキを踏むので、後続車からすると大迷惑。

 もうひとつがエンブレの使い方を知らないドライバー。加速してはブレーキを踏むというのを繰り返しているドライバーは意外に多い。下り坂などではチョンチョンとブレーキを踏むなど大忙し。

 この手のドライバーは、スピードを落とすにはブレーキを踏むしかないと思っているのだろう。アクセルオフ、シフトダウンによるエンブレをうまく活用して、スムーズかつ他人に迷惑をかけない運転をしてもらいたい。

止まるのではなく減速するのであれば、アクセルオフ、シフトダウンによるエンブレを使ったほうが運転がスムーズになる

ライトの点灯が遅い

 2020年4月から新型車についてオートライトの装着が義務化された(継続生産車は2021年10月)。なぜ義務化されたのか? それは安全に直結するライトの点灯忘れを防ぎ、夜間走行時のヘッドランプの消灯ができなくさせるためだ。

 しかし、薄暮時や夜明けなどで無灯火のまま走行しているクルマはかなり多い。灯火類は自分の視界を確保するだけでなく、自車の存在を知らせるという重要な役割がある。

オートライトは義務化の前に多くのクルマが標準採用。しかし新基準のものに比べると性能面で劣っているから要注意

 大都市圏や繁華街などは明るいためヘッドランプを点灯するのを忘れることがあるかもしれないが、早めの点灯を心がけたいもの。

 ちなみに夜間でもポジションランプのみで走行しているクルマも見かけるが、道交法上では無灯火と同じ扱いになるので要注意。取り締まられた場合は違反点数1点、反則金は6000円だ。

日没の30分前くらいから点灯するのがいい。ただし天候などにより昼間でも暗い場合は、臨機応変に対処するのがベスト

ウィンカーを出すタイミングが唐突/遅い

 クルマは安全のためにもルールを守って走らなければいけない。各ドライバーが好き放題やっていいわけではない。

 運転している時には、周りのクルマがどのような意思をもってどのようなアクションを起こそうとしているのかを知ることが重要になる。対話はできないが、クルマ同士のコミュニケーションをとる手段はいろいろある。

ウィンカー、ブレーキランプというのは後続車に自らの意思表示をするための重要なアイテムだから、タマ切れなどにも要注意

 その最も重要なのがウィンカーと言えるだろう。右左折、停止などはウィンカーでその意思表示をして周りに伝える。

 しかし後ろを走っていて厄介なのが、そのウィンカーを出すタイミングが遅かったり、唐突なドライバーだ。追突事故や渋滞に要因となってしまう。

 まぁ、ウィンカーに限らず、クルマの運転においては操作が唐突、タイミングが遅いというのは致命的でもある。ブレーキなどはその最たるもののひとつだ。

渋滞時などでは突然ウィンカーを出して割り込んでくるクルマも多数。しかしもっとひどいのはウィンカーも出さずに割り込むクルマだ

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世界を一変させた名品 クルマ界に衝撃を与えた革命的カー用品5選

 カー用品はいろいろな新製品が登場しては廃れていくの繰り返し。トレンドもあり、当然新しいものに淘汰されるケースも少なくない。

そんななか、デビューとともに衝撃を与え、クルマ界、ユーザーの意識を一変させた名品についてスポットを当てていく。

文:永田恵一/写真:PIONEER、AMAZON、錦之堂、ベストカー編集部

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カーナビゲーション:パイオニアAVIC-1

パイオニアのAVIC-1が発売される前年の1990年にデビューしたユーノスコスモには、マツダと三菱電機が共同開発したGPSカーナビが設定されていた

 今やクルマにあって当たり前になったカーナビゲーション(カーナビ)の元祖と言えるのが、1991年に世界初の市販GPSカーナビとして登場したパイオニアのAVIC-1だ。

 ちなみに世界初のメーカー純正品としては、1990年にマツダと三菱電機が共同開発したGPSカーナビがユーノスコスモに搭載された。

 AVIC-1は人工衛星からの電波で誘導することから「サテライト・クルージング・システム」と命名され、当時F1のフェラーリチームに乗っていたジャン・アレジ氏が出演したCMキャッチコピーの「道は星に聞く」を覚えている人も多いだろう。

 AVIC-1は自車位置を地図上に表示するだけで、地図スクロール機能もなければ、目的地探索、ルート探索、ルート案内といったカーナビとしての基礎的な機能すら備えていなかった。スケールの切り替えも4段階と今から考えればかなりチープだ。

画面の小ささに比べてアンテナの大きさにビックリ。フルセットで50万円ほどしたカーナビも現在は安くなり、時の流れを痛感させられる

 しかも、当時は人工衛星の数が少なかったため、カーナビとして使えるのが1日に数時間に限定されるなど、今から考えればウソのよう。

 地図データも4枚のCD-ROMに分割収納されていて、地域によって切り替えるなど、ある意味不便極まりないものだった。

 価格はフルセットで当時50万円程度と高額だったため、一般ユーザーが購入の対象になるものではなかった。

 実際に商業的には成功したとは言えないのかもしれないが、GPSカーナビの存在をユーザーに認知させた功績は偉大だ。

ハイグリップタイヤ:ブリヂストンポテンザRE71

ブリヂストンは1986年に日本のタイヤメーカーとして初めてポルシェの純正タイヤに採用された。それがRE71で、ポルシェ版はポテンザの名称はつかず

 ポテンザはブリヂストンのスポーツブランドタイヤとして圧倒的な知名度を誇るが、ポテンザの名前を世界に知らしめたのがRE71だ。

 RE71は1986年に当時ロードカーとして世界最速、300km/hの世界を実現したポルシェ959に純正タイヤに採用された。

 またフェラーリF40の標準装着タイヤはピレリP-ZEROだったが、RE71も採用されるなど、日本のタイヤメーカーのタイヤで初めてポルシェ、フェラーリに純正採用された。

1980年代後半から1990年初冬にかけて日本車は著しく高性能化していき、それらのクルマにハイグリップタイヤのRE71はベストマッチだった

 リプレイスタイヤとしてRE71が発売されると、当時の日本車はスポーツ&GTが大人気でパワーウォーズも勃発していたのでたちまち大ヒット。ハイソカー時代はピレリP7が大人気だったが、一躍人気ナンバーワン銘柄となった。

 そのRE71は2014年に86/BRZの盛り上がりを機にRE-71R(新モデルはハイフンが入る)として復活し、少数派となったハイパフォーマンスを追求したハイグリップタイヤで独自のポジションを確立している。

写真は2014年に復活したRE-71Rの進化モデルであるRE-71RS。このタイヤを必要する元気なクルマがもっと出てもらいたい

スピーカー:ケンウッドKSC-7900

 1980年代後半は、デートカーブームとなり、ホンダプレリュードなどが大人気。そのデートカー御用達の絶好のアイテムがリアに据え置きにするボックス型のスピーカーで、メーカーロゴが光るタイプが大人気だった。

 ケンウッド、カロッツェリア(パイオニア)が人気を二分していて、50歳代以上の人にとっては非常に懐かしいシロモノだろう。リアウィンドウ越しに見る光るメーカーロゴに当時の若い男女は完全にメロメロ。

 カーオーディオ界はCDの登場により主役はヘッドユニットだったが、陰の存在のスピーカーを一気に主役に大躍進させたのが光るスピーカーだったのだ。

今では絶滅してしまったリアに据え置きするボックス型スピーカー。ケンウッドのKSC-7070は見せることを念頭にデザインにもこだわっていた

 そして1989年に超絶に画期的なKSC-7070という型番の光るスピーカーをケンウッドが発売。

 このKSC-7070は、夜間にKENWOODのロゴが光るのは当然、スモール点灯時には緑、停車時は赤、ウィンカーを出した時は流れるように黄色に点滅と非常に凝っていた。

 当時ロゴが点滅するタイプはあったが、流れるシーケンシャルタイプはKSC-7070だけだったようだ。

シーケンシャルウィンカーは2014年に日本で解禁となったが、その25年前にKSC-7070はロゴの発行をウィンカーに連動させて流すなど、果敢にチャレンジ

 しかし、発売後まもなくして道交法が改正され、最大のセールスポイントのシーケンシャル仕様というのが抵触するということになり早々と発売中止となってしまった。

 今では流れるシーケンシャルウィンカーが認可されているが、若者を熱狂させた画期的スピーカーは法規の壁の前に超短命に終わってしまった。しかし、そのインパクトは絶大だった。

ケミカル用品:レインX

 クルマ界にはいろいろ画期的な商品が登場している中で、革命的とまで言われたのがレインXだろう。

 フロントウィンドウに塗布して撥水作用によりクリアな視界を確保する液体ワイパーという新ジャンルを構築し、雨でのドライブに大きな変革をもたらした。

アメリカ空軍の航空機用として開発されたレインXは、レースやラリーでその効果をいかんなく発揮し、その秀逸性が一般ユーザーにも浸透

 今ではいろいろなメーカーから液体ワイパーが市販されているが、そのパイオニアがレインXなのだ。

 レインXは1967年にアメリカ空軍の航空機用の液体ワイパーとして開発された商品で、その優れた撥水性能が評価され、カー用品として登場。

 日本では1982年から錦之堂が正規代理店として販売を開始。

 当時の日本では液体ワイパーの存在すら知られていない状態だったが、ラリーやレースでその効果が実証され、雨対策の必需品として瞬く間に定番となった。

 レインXは日本初導入から38年経過した2000年現在も販売されている。

液体ワイパーという新ジャンルを日本のクルマユーザーに広めた功績は大。今も昔も変わらない黄色とブルーのカラーリングもナイス!!

カーグッズ:A/Cホルダー

 日本車は海外のクルマに比べて至れり尽くせりの装備が魅力だ。今ではないクルマは存在しないとも思えるドリンクホルダーもそんな装備のひとつだ。これは、日本車が海外のクルマに影響を与えた装備で、今では海外のクルマも当たり前になっている。

夏は冷風で冷やし、冬は温風で温かい状態でドリンクを飲むことができる画期的商品。誰でも気づきそうで気づかなかったことを星光産業がやって大ヒット

 アフターの市販ドリンクホルダーは、1980年代から人気となり、ドアにぶら下げるタイプのものが主流だったが、このドリンクホルダーに革命を起こしたのが、エアコンの吹き出し口に装着する通称エアコンドリンクホルダーだ。

 このエアコンドリンクホルダーを世界で初めて市販したのは、星光産業と言われていて、『A/Cホルダー』という商品が1990年に発売された。

 ドリンクを夏場は冷風により冷たく、冬場は温風で温かく飲むことができるということで大ヒット。その後追従するように多くのメーカーからエアコンホルダーが発売されるきっかけとなった。

 このA/Cホルダーは、何度かのマイナーチェンジを経て2020年現在も販売しされている。人気漫画『頭文字D』の主人公、藤原拓海が使っていたことでも有名だ。

安心のフォルム、取り付けも簡単で安かったのもヒットした要因。現在のモデルはスマホスタンドと組み合わせたもの、レザータイプなどいろいろラインナップ

番外編/先進装備:デジタルアウターミラー

  最後は自動車メーカーから出た先進装備、2018年にデビューしたレクサスESにオプション設定された世界初のデジタルアウターミラーについて。

 現状では、2020年8月に正式発表されたコンパクトEVのホンダeに採用されたくらいで、そのほかの車種ではまだ採用されていない。

 ミラーが不要というこれまでのクルマ界の常識を覆す革命的装備であることは間違いないが、現行装備として世界を変えるか否かはまだこれからだな、というところだろう。ブレークスルーのきっかけになる可能性は充分ある。

レクサスESにオプション設定されているデジタルアウターミラー。カメラの映像はミラーで見るより鮮明だが慣れが必要。今後どのような展開になるか?

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