登録日:2016/02/10 Wed 01:51:58
更新日:2020/03/11 Wed 08:29:11
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シリーズのヒロインの中でも唯一といっていい、
怪異と殆ど関わりを持たないキャラである。
小説挿絵では黒、アニメでは銀もしくは灰色の髪を
ツインテールにしている。
本人が鏡で見て驚くほどに目つきが悪い。
とある理由から
阿良々木暦を異様なまでに嫌悪している。
【おうぎフォーミュラ】
「本日の議題は『犯人当て』です」
阿良々木暦が忍野扇に語った回想において登場。
暦が直江津高校1年生であった時のクラス委員長であり、クラスで起きたカンニング疑惑についての学級会を開いた。
クラス全員の参加を強要し犯人当てに固執するもやがて議論が紛糾し、学級会としての体裁すら保てなくなる。
そして挙手での多数決による犯人の決定を行うも、上記の行動により反感を買ったことによりクラスの大半から犯人として挙げられる。
そのことに絶望し、以来学校で姿を見せなくなる。
これら一連の事態と、真犯人の行動は暦に正しさというものへの絶望を与え、以降自身を孤立へ誘うきっかけとなる。
【そだちリドル】
「お前は何も覚えていないのよ――阿良々木。自分が何でできているかを知らないの」
暦が上記の回想を語った翌日、暦のクラスに姿を現す。
かなり情緒不安定な様子でおり、対話を試みた暦に対して敵意を露わにする。
その際に暦が自身の幸せの理由を知らないことを罵り、また彼が中学1年生の時に起きた出来事を思い起こさせるセリフを発している。
一方的な口論の末、ボールペンで暦を傷をおわせた所を
戦場ヶ原ひたぎに目撃される。
彼女に対しても攻撃的にふるまい、ついには平手打ちをくらわせるもグーパンの一撃で返り討ちにされる。
(この際ひたぎもマズい状況と感じ、気絶したふりをして相打ちを演じた)
暦は中学1年の夏休み、謎の少女に導かれ廃墟で数学を教わるという体験をしていた。
それによって暦は落ちていた成績が持ち直し、直江津高校への進学を始め現在の状況を形成することになる。
その少女こそが育であり、また廃墟と暦が思っていたのは家庭内暴力により破壊された彼女の住居であった。
育の目的は警察官である暦の両親に家庭の問題の解決を請うこと。
実の両親を告発することに消極的であったため、暦を家に招くという遠回しな手段をとったのである。
しかし暦は育の真意に気づくことはなく、夏休みの最終日に彼女は転校という形で姿を消す。
そして高校で再会した時も暦は彼女を思い出すことはなかった。
【そだちロスト】
「いなくなったお母さんを見つけて頂戴」
ひたぎとの一件から再び不登校となり、自宅で暦と
羽川翼の見舞いを受ける。
その際「阿良々木のために着替える手間をとりたくない」という理屈でパジャマ姿で出迎える。
会話を始める時に某
かたつむり少女よろしく暦の名前を噛み、直後の逆ギレしたセリフでも更に噛んだ。
「よく来たわね。その度胸だけは誉めて上げるわ、阿良々Gっ……」
「言いにくいのよ、おまえもなまめっ……」
またひたぎに殴られた跡を治癒するために暦が育の頬に自分の血を塗った時には意図がわからないこともあってひどくうろたえていた。
「な、なにっ……何ほっぺつついてくれてんのよ。つんつんって……、そんな茶目っ気が発揮できるような間柄だったっけ、私達?
何の罪で訴えられたいの、お前!」
その後の会話の中で中学以降の家庭状況を語り、不幸を嘆きつつも幸せになる気力がないことを打ち明ける。
だがその思いは暦に否定され、翼からも登校を説得することを諦めないと宣言される。
最終的に学校への登校とひたぎとの和解への条件として、2人に行方不明となった自分の母親の捜索を提示した。
暦と初めて出会ったのは小学6年生の頃。暴力の跋扈する家庭から暦の両親によって引き取られ一時的に共に暮らしていた。
すなわち育と暦はだったのである。
しかしその後自らの意志で阿良々木家を離れ実家に戻っていった。
中学1年時に遠回りな方法で助けを求めたのは、一度救いを拒否したことへの後ろめたさもあった。
暦に助けを求めることに失敗した後、両親が離婚。母親に引き取られ一度別の町で暮らすこととなる。
しかしほどなく母親は引きこもり、育がその世話をするもある日突然母親は姿を消してしまう。
この事を契機に元の町に戻り一人暮らしを始めることとなった。
母親に関する真実を暦から伝えられた後、自分がもうこの町にいられないことを明かす。
その翌日、早朝のうちにひたぎへの謝罪を済ませ暦の教室の机に手紙を残し町を去っていった。
直接の登場はないものの、暦と同じ大学を受験していたことが判明。
「小学生の頃からずっと一緒に暮らしている私を相手に、今更何言ってんの、暦!?」
変容した世界において、暦とは十年近く同じ家で暮らす家族同然の存在となっている。
『終物語』での嫌悪っぷりとはまるで異なり、暦に対し非常に素直かつフレンドリーに接する。
具体的には同じ湯のみでお茶を飲んで間接キスだとはしゃいだり、二段ベッドの上下で寝たり。アホ毛もげろ暦。
カバーイラストで描かれた容姿は、ショートヘアーに日焼けした肌、活動的な服装と以前とは大きくイメージの異なったものとなっている。
前情報ナシでこれが育だとわかった読者、いないんじゃないだろうか。
阿良々木家の一員である現状を幸せに感じているが、一方でどこか疑問や違和感を覚えている。
「阿良々木派よ」
「第零話・そだちフィアスコ」にて語り部を務める。
彼女の視点から物語が描かれるために、その屈折した内面がよく分かるようになっている。
事あるごとに暦を引き合いに出しているが、ほとんど精神安定のおまじないのような扱い。以下その一部。
○阿良々木暦を嫌っている。どれくらい嫌いかと言うと、それはそれは、もう気が遠くなるくらいに嫌いなのだ。
○阿良々木の笑顔を、優しさを、気遣いを、友情感を、仕草のひとつひとつを思い出すだけで私は、しくしくと泣きそうになる。
○見てろ、阿良々木。老倉育は、ここから育つ。
○阿良々木の次に死んでいい。死ね、阿良々木!
○クラス全員からの白眼視に似た様子見よりも、この場にいない、阿良々木からの視線のほうを気にしてしまう私。
○阿良々木に対する反発心は、私を動かすエネルギーだ。
○あとは阿良々木のことを嫌っていたくらいだ。阿良々木嫌い阿良々木嫌い阿良々木嫌い。
○この先、少しでも痛い思いをしたら、このまま直江津高校に向かって、阿良々木を殴る。あいつに八つ当たりをする。
○阿良々木のほっぺにちゅーすると誓おう。
○私にとって、あの男を恕することは、私のすべてを失うことである――阿良々木暦は、私のすべてなのだ。奪わないで。
これでも本当に、ほんの一部。
『終物語・上』での出来事の後、遠い町に引っ越し里親となった老夫婦と共に暮らすようになる。
しかし転入先のクラスで、派閥争いから生じたある問題に関わることとなる。
冒頭のセリフは事件収束への決定打となるある行動をした際に、主犯格といえる人物から
「誰の影響を受けて、誰の価値体系に基づいて、こんな真似をしたのか」と問いつめられて返したもの。
「大丈夫なのよ、撫子ちゃん。将来、自分がどうなってしまうのか不安なままでも、生きてさえいれば、大人くらいにはなれるから」
撫子とは知り合いであったらしく、自身の作り出した式神を捜索中の撫子と、偶然に遭遇。その直前にブルマ一丁の式神撫子を目撃していたため、彼女がいじめを受けていると思い込んだ。
大学は数学科に進むも、大学に馴染めずサボっていた。
精神的にはだいぶ安定しているようで、撫子の相談にも真摯に応えている。
「もしも、三十路を過ぎてもお互い独身だったら……お互いに絞め殺し合いましょう」
23歳となった暦と、作中では2年ぶりの再会を果たす。会計士の資格を取り、役場に就職していた。
大学時代にとある事情から阿良々木家を下宿先にしていたことが明かされ、それを内緒にしていた事が発端となり暦とひたぎが最初に別れる原因となった。
その際は2人の関係修復に尽力し、阿良々木家からも即座に離れる。それからしばらくは3人揃って良好な関係であった。
しかし、暦とひたぎが些細な理由で2度目の別れ話を始めたことに怒り若しくは失望し、上記の再会まで絶縁となった。
中学生時代に住んでいた廃屋同然の家を購入し、リノベーションして住居としている。
「今夜まで生きられると思うな」
直接の登場はほぼ無し。大学生であるが、上記の暦やひたぎと仲良くしていた時期と思われる。
暦には部屋の合鍵を渡していたり、手料理を振る舞っている模様。
とある事情で暦に「奴隷になって手料理を作ってくれ」と言われた際、↑のセリフで返した。
本編中のセリフはこれ一つのみ。
追記・修正は自分が何でできているか知ってからお願いします。
最終更新:2020年03月11日 08:29