その泉氏の悩みは、地盤を侵食しつつある日本維新の会の勢力だろう。
自民党の宮崎謙介元衆議院議員が不倫騒動で議員辞職した2016年4月の衆議院補選で、おおさか維新の会は落下傘候補の森夏枝氏を泉氏にぶつけてきた。
この時は6万5051票対2万710票で泉氏が森氏を振り切ったが、2017年10月の衆議院選では森氏は比例区で復活当選。しかも地元である京都3区では、日本維新の会は京都市伏見区から府議と市議、向日市では市議も輩出している。
対抗馬である自民党の木村弥生総務大臣政務官も侮れない。宮崎不倫騒動の後に自民党京都府連が公募で選んだのが、東京都出身の木村氏だ。落下傘候補でありながら木村氏は、2017年の衆議院選で5万6534票を獲得し、泉氏に6479票差まで迫っている。
もし新党の幹事長に安定性を求めようとするなら、総理大臣を経験した野田佳彦元首相は別格としても、選挙区が盤石な岡田克也元副総理や玄葉光一郎元外相あたりが適任とはいえないか。
だがいずれも民主党や民進党時代に使い尽くされた感が強く、新鮮なイメージとはほど遠い。新党合流問題でいきなり国民民主党の代表のようにしゃしゃり出てきた小沢一郎氏も同じだ。長らく表舞台に出ないまま、地元で「選挙の神様」と言われて14回も当選を重ねた中村喜四郎氏に至っては、ナフタリン臭さえ漂ってくる。
当選10回の大ベテランである赤松広隆衆議院副議長の名前も聞こえてこないわけではないが、赤松氏は2017年の立憲民主党創設以来「枝野氏の黒幕」と言われ続ける存在で、なおさら「表の顔」になりえない。