最も重要な問題は党人事だ。とりわけ幹事長は党務を取り仕切ることに加え、近いうちに行われるだろう解散・総選挙を取り仕切る責務がある。
一説には福山哲郎氏の留任が囁かれているが、「衆議院選を仕切るのは参議院議員ではおかしいのではないか」と異論もある。第一、「福山幹事長」では旧来の立憲民主党と何ら変わっていない。
それでは他に誰が幹事長に適任か。もし国民民主党から出すのなら、まずは民主党政権時に文科大臣や官房長官を務め、政治歴が長い平野博文幹事長の名前が挙がるだろう。
しかし平野氏は党内で人望があるとはいえない上、国民民主党から玉木雄一郎代表らが合流しなかった原因は平野氏にあると言われている。ある野党関係者が述べた「あの人は能力のない仙谷由人だ」という言葉が、すべてを物語ると言っていいだろう。
では代表選に出馬した泉氏はどうか。国民民主党では政調会長も務め、弁舌も爽やかだ。
代表選の最中に匿名の“立憲パートナー&国民サポーター”氏によって行われた「合流野党代表選全国ネット投票」では泉氏は3万9174票を獲得し、枝野氏の5604票を大きく引き離してもいる。
もっとも公式には党員や党友、サポーターやパートナーによる投票は行われていないため、そのことに不満を感じた関係者が作ったものか、合流新党を揶揄しようとした愉快犯のいずれかに違いない。
これをもって「泉氏が枝野氏よりはるかに優位にいる」とは言えないが、政権を狙う野党第一党の代表として党員やサポーター、パートナーという範疇におさまらない票を大量に獲得した意味は小さくない。何よりこの“人気投票”によって、泉氏はかなり広く知られることになった。