こんにちは、あなばすです。今回は2日連続の更新という快挙を成し遂げました。なんとか続けていきたいものです。
今回は前回に引き続き夏休みに読んだ本の紹介をします。今回紹介する本は「技術系英文ライティング教本」です。
結論から言うと、この本非常に良かったです。分野を問わずに任意の理系は読むべき本だと思いました。
技術系英文ライティング教本とは
「技術系英文ライティング教本」は主に技術系の人間に向けて書かれた英語の書き方の本です。技術系のライティングなので、学校で書かされるエッセイやIELTSのエッセイとは大きく異なっている部分も多いですが、こちらの方がより実践的です。
内容はライティングの基本、ライティングの英文法Ⅰ、ライティングの英文法Ⅱ、ライティングの応用の4つの章に分かれています。
ライティングの基本ではまず、「3つのC」すなわちCorrect(正確に書く)、Clear(明確に書く)、Concise(簡潔に書く)ことを学びます。理系の文章、特に技術系の文章では正しく書くことが命です。学校のエッセイでは幅広い語彙や文法を使い、凝った読んでいて楽しい文章が好まれますが、それではいけません。難しい語彙や文法を使うことで、読み手に負担や誤解を与えてしまっては元も子もありません。特に論文や説明書を読む読み手はネイティブであるとも限りません。英語が苦手なユーザーが相手でも素早く正しく伝えるためには、正確に、明確に、簡潔に書くことが求められます。そう言えばこの辺は「理科系の作文技術」にも似たようなことがありましたね。
日本の学校で習う英文法は基本的に読むためのものです。知らないと読むことができないので、基本的に全ての英文法を網羅的に学ぶことになります。しかし、このまま実践的な英作文を行うことは非常に危険です。なぜならば、これらの英文法は読むためのものであって書くためのものではないからです。同じ英語の文法なんだから同じだろ、意味がわからないとおっしゃるかもしれないのですが、非ネイティブの我々はこれを意識しないといけません。先述したように、学校で習う英文法は基本的な文章をどれでも読むことができるように教えられます。しかし、その中には時代遅れになりつつあるものや、文学的な修辞としての面が強く、正式な文書を書くには適さないものも多く含まれています。ちょうど日本語で言うら抜き言葉や倒置法のようなものまで習っているわけですね。この文法を全て同等なものとして英文を書くと、当然よくわからない文章になったり、支離滅裂になって読みにくいものになってしまいます。そこで、本書では「3つのC」を意識して、どのような文法がより好ましいのかを教えてくれます。
最後のライティングの応用では、実際の技術論文やプロポーザル、マニュアル、仕様書、特許明細書の書き方を具体的に説明しています。まあこの辺は技術系の人間以外はざっと目を通せば良いでしょう。私は理学系の人間で技術系ではないのであんまりきちんと読んでないし、あまりピンと来ませんでした。よって詳しいことはわかりませんが、多分良い内容なので工学部に進んだり所属している人やエンジニアを志望している人は読むと良いと思います。一応この本は工学部で研究している父に勧められたものなので多分ちゃんとしてます。
感想
本当にこの本は良いです。私の中での「理系なら分野を問わずに読むべき本ランキング」の2位です。1位は先ほども出てきた理科系の作文技術です。
学校で習う英文法とはかなり異なった書くための英文法の説明には目から鱗がボタボタ落ちました。無駄に高度な文法や語彙を使おうとしていた私にはとても新鮮でした(そう言うのが求められる場面もあるので、今でもそう言う練習はしています。IELTSのライティングとか)。
また、パラグラフライティングのやり方とかコロンやセミコロンの使い方など学校で教えてたような気はするけど先生の説明が下手くそで私のおつむが弱すぎてよくわかってなかった部分もきちんと説明してあって、きちんとした英文を書くことができるようになったことは非常に良かったです。
文法にしても作文のルールにしてもこの本の最大の特徴で最も良い部分は具体例がものすごく豊富なことです。学校の先生はパラグラフライティングでメインセンテンスだのサポートセンテンスだのと言うことは言うんですが、それがなんなのかをちゃんと説明しないんですよね。いや、それがどんな性質を持っていてどんな役割を担っているかはちゃんと言うんですけど、具体的にどう書けば良いのかってことを一切言わないんです(もちろん良い先生は言うと思います)。ネイティブでもないのに(ネイティブだって)これで自分で考えろって言うのは無茶な話だし、きちんと英文のルールに従った作文なんて書けるようになるはずがありません。
また、パラフレーズの具体例がとても多いのもとても良いです。よく受動態は避けろだのなんだの言われますが、私は今まで「いや、無理だろ。これ能動態にしたら不自然だって」と思っていました。その受動態をこの本では非常に綺麗に能動態に変えてくれているんですね。「なるほど、こうすれば不自然でなく、なんならより英語らしい文章になるんだ」と言う気づきが至る所にありました。
文法に関しても読むときに気をつけるポイントではなく書く時に気をつけるポイントを中心に説明があるので、「こんな文法わかっているよ」と言うレベルの基本的なものでも結構誤解があることに気づきます。また、単語のニュアンスについても色んな説明があるので、より自然な文章を書くことができるようになると思います。
まとめ
今回は夏休みに読んだ本紹介の第二弾と言うことで「技術系英文ライティング教本」の紹介でした。この本を読むと「読む文法」から「書く文法」へと変わり、より分かりやすくて洗練された文章を書くことができるようになります。「理科系の作文技術」と合わせて理系なら(文系でも)分野を問わずに一読しておくことをおすすめします。それだけで自分の過去の英作文が恥ずかしくなるとともに、これから笑われてしまうような文章を書くリスクがグッと軽減されると思います。この本紹介の中で最もおすすめするのはこの本です。
次回は多分第三弾として、「生態進化発生学」を紹介します。気が変わったら別のことを書くかもしれません。ともかく近日中に更新できるように頑張ります。