台風10号各地で爪痕も…“Go To 避難”で評価の声「批判の的の事業」一転「今回は感謝」

[ 2020年9月8日 05:30 ]

避難したホテルのロビーで2人の息子と過ごす羽月久実さん
Photo By 共同

 「史上最強クラス」の台風10号は各地に暴風や猛烈な雨をもたらし、7日には対馬海峡から朝鮮半島に達した。国内ではこれまでに九州を中心に110人が重軽傷を負った。

 台風接近に伴い、九州各地では数日間の間に多数の住民が避難。新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中、最寄りの避難所ではなくホテルに宿泊する人が続出。宿泊料金が35%割引になる「Go To トラベル」事業で予約する“Go To 避難”が目立った。

 鹿児島、熊本、佐賀など台風の進路に近かった九州西岸の各都市では、ホテルが軒並み満室に。ネット上では「GoToの賢い使い方」「趣旨は違うけど結果的に良かった」などの書き込みが多数。批判の的となった事業だが「今回は感謝」「意外なところで役立った」と評価する声も上がった。

 佐賀市のシティーホテル「ホテルマリターレ創世佐賀」も客室が埋まった。総支配人の佐藤靖昭さん(63)によると15ある客室の約9割は避難してきた人々で、3日から6日までは満室状態。空室の問い合わせも1日150件以上あったが、空きはなく断らざるを得なかったという。

 佐藤さんは「こんなに問い合わせがあったのは初めて」と話し「命を守るよう呼び掛けられたことや“GoTo”があったことで、多くの人がホテルへの避難に踏み切ったのでは」と話した。「(台風などの自然災害は)ないのが一番ですが、ホテルを旅行の時だけでなく緊急時にも活用していただければ」と呼び掛けた。

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2020年9月8日のニュース