長期間ログインされておりません
[PR] 広告主様募集

PAGE[6]

2017-12-12 00:33
[雌の獣は…]






「あんたの息子はショック受けるんじゃない?」

「何をだよ」

「私とジンがこういう関係だって知ったら」

「あー…」




ビジネスホテルのシングルベッドに二人。転がったコンドームが3つ。目が覚めたらこうなっていた。


完全に酒にやられた。今となっちゃ言い訳にしかならないが…。


全開のカーテン。窓から差し込む朝日が眩しい。夢子は全身素っ裸のまま、気にする様子もなくあぐらをかいて座っている。





「その……悪い」

「え?いや謝んないでよ、私だってなんの記憶もないし。もしかしたら私が誘ったかもしれないじゃん」

「お前意外と肉食なのな」

「もしかしたらだって!」




夢子は近くにあった枕をオレに向かって投げつける。豪速球ならず豪速枕を顔面に受けたオレはベッドに倒れこんだ。




「いって…」

「これでゴンに妹か弟でもデキたら爆笑なんだけど」

「おまっ…笑い事じゃねぇよ」



恐ろしいことを言い出す夢子に若干焦りつつも転がったコンドームに目線が行く。そうだ、多分酒にやられてても避妊はしてる。



「案外現実的でしょ、記憶ないんだからちゃんとゴム全部使ったかもわからないしね」

「…そりゃそうだが」



確かに…ここにあるゴムだけでは証拠にならない。転がってるのは3つだが、使わずにもっとヤった可能性もある。サァー…と血の気が引いて青ざめるオレに夢子が「冗談だよ」と笑うが、案外冗談じゃ済まない気がしてきた。




「シャワーでも浴びてくれば」

「え?あ、あぁ…」

「それとも一緒に入る?」



そんなことを言って夢子がオレの体にすり寄って、胸板に手をおく。妖艶なその姿に一瞬欲情しかけるが我に帰る。



「やっぱお前が誘ったんだろ!!」

「冗談だわバーカ!一人で入ってこい!!」

「いって!この肉食獣が」



再び飛んできた枕にわざと当たってやりながらも、床に転がるバスローブを持って風呂場に行く。






「やっぱ私が誘ったかもね…」






夢子がそう呟いていたことなんて知らずに。







←前次→

[←戻る]

- XRIA -