米国のスポーツブランド「ウイルソン」の国内総販売代理店を担うスポーツ用品会社「アメアスポーツジャパン」（東京都新宿区）に対し、公正取引委員会が独占禁止法違反（不公正な取引方法）容疑で立ち入り検査をしたことがわかった。別ルートで硬式テニスラケットの真正品を並行輸入する業者の業務を妨害した疑いがあるという。

　アメア社は9日、取材に「公取委が調査に入ったことは事実。全面的に協力している」とコメントした。

　関係者によると、同社は数年前から、ウイルソンの硬式テニスラケットを扱う海外の販売業者に対し、日本国内の並行輸入業者にラケットを売らないよう圧力をかけていた疑いがある。また、国内の卸売業者に対し、並行輸入品を扱う業者には正規輸入品を売らないよう条件をつけて取引していた疑いもあるという。

　並行輸入品は、海外メーカーが契約する総代理店とは異なるルートで国内に輸入される商品。海外の販売店や卸業者などを経由する独自ルートで仕入れるため、安価に購入できる場合がある。

　ウイルソン製ラケットを並行輸入していた業者はインターネットで格安で販売していたといい、公取委は、正規輸入しているアメア社が独禁法が禁じる「競争者に対する取引妨害」や「拘束条件付き取引」をしていた疑いがあるとみて8、9日に立ち入り検査をしたという。

　関係者によると、アメア社はア…