ムーラン役を演じるリウ・イーフェイさん。ディズニー提供=AP

写真拡大

 米ウォルト・ディズニーの最新映画「ムーラン」が、中国新疆ウイグル自治区当局の協力を得て製作されていたことが明らかになり、米国などで批判が広がっている。

 同自治区のウイグル族住民らに対する人権侵害問題が議論の的になっており、米政府は関係当局などを制裁対象にしているためだ。

 「ムーラン」は、1998年公開のディズニーアニメを実写映画化したファンタジーアドベンチャー。新型コロナウイルスの影響で劇場公開が延期され、米国や日本などでは4日から会員向け動画配信サービスで公開された。

 ところが、映画のエンドロールで撮影協力機関への感謝を示すなかで、自治区の宣伝部門やトゥルファン市の治安部門などを紹介。自治区がロケ地の一部となり、党や政府機関から協力を受けたことが明らかになった。

 米国務省は3月に公表した人権報告書で、中国当局が自治区の各地に開設した「収容所」でウイグル族ら100万人を拘束し、再教育の名のもとで虐待や拷問をしていると指摘。米政府は昨年10月、人権侵害に関与したとしてトゥルファン市治安部門などを制裁対象にし、米企業と取引するのを禁じていた。