『おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~』主観レビュー。

『おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~』に行ってきました! 六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中です。
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会場風景
江戸の浮世絵に描き込まれた食文化をクローズアップする本展。 お昼ご飯はしっかり食べたのに、鑑賞中にお腹が空いてしまいました。
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会場風景
すし、鰻、魚介の天ぷらなど、江戸のグルメは海産物が多いみたいです。 東京湾(=江戸前)で新鮮な魚介が獲れるからですね。
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会場風景
歌川国安は、日本橋の魚河岸の賑わいを描いています。 日本橋から東にかかる江戸橋までの北岸には魚市場が広がり、「魚河岸」と呼ばれていたそうです。
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会場風景
わちゃわちゃと大賑わいで、1人1人の表情がとても面白いです。 困ったような顔の人がいっぱいいて不思議な絵です。
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会場風景
歌川国芳が描いたのは、鰻を頬張ろうとする美女。 食べようと口を開けた瞬間、虹を見つけて気を取られてポカンとしてしまったよう。 滑稽な感じもありつつ、無駄の無い洗練された描写はさすが国芳。 しかし彼女の小さな口だと、鰻を食べ切るまでに何時間かかるのかしら?
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会場風景
ちなみにタレをつけて焼く調理法は、江戸時代には既にあったそうです。 1825年に記された『遊歴雑記』に書かれているそうで、約200年も前から同じように鰻を食べていたのですね…!
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会場風景
江戸のグルメガイドのようで面白かったのが、『東都高名會席盡』です。 1852年10月から1853年2月にかけて作られた50枚揃いの浮世絵です。
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会場風景
歌舞伎役者を歌川豊国(国貞)が、江戸の名店の店構えや名物を歌川広重が手掛けています。 現代で言うと、芸能人が名店に赴いて食レポをするような感じでしょうか? 名店と役者の組み合わせ、江戸の二大名物を取り合わせているみたいで贅沢です。
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会場風景
展覧会は江戸を飛び出し、東海道へ! 参勤交代で各地の大名が国許と江戸を行き来したため、東海道を始めとする街道や宿場が整備されていきました。 庶民たちも旅に出かけることができるようになり、江戸時代後期には伊勢を通って京都を終着点とする「東海道の旅」が憧れられたそうです。
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会場風景
本展では、歌川広重による『東海道五十三次』など東海道を描いた浮世絵を通し、各地の名物を探っていきます。 府中の安倍川餅や鞠子のとろろ汁、美味しそうだなぁ。
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会場風景
十返舎一九による『東海道中膝栗毛』も、「東海道の旅」への憧れの火付け役となりました。 音声ガイドには、漫才コンビ・ナイツの2人が『東海道中膝栗毛』の弥次さん・喜多さんを演じるボーナストラックが収録されています。 ナビゲーターは声優の江口拓也さん。
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会場風景
最後にもう1つ、注目したいのが再現レシピです! 本展では、食文化を表す浮世絵と、当時の食事を再現したレシピと写真も展示されているんです。
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会場風景
簡単そうな料理から、ちょっと難しそうなのまで。 レシピは図録にも載っているので、帰宅したら早速作ってみたい。
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会場風景
特に気になったのが私の大好きな白玉! 浮世絵の中の白玉は赤や黄色に彩られていて、可愛らしいんです。
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会場風景
再現レシピでは、食紅やクチナシで色をつけているそうです。 私にもできるかな? やってみようと思います。 追記:浮世絵の白玉を再現してみました! レシピ動画です。
さて、おいしそうに食べ物を頬張る浮世絵や、その再現レシピを見ていたら、お腹が空きますよね? しかも、口の中が江戸のグルメしか受け入れられない状態になっていると思います。 会場に隣接するカフェ『Cafe THE SUN』では、江戸食の再現メニューや和メニューが期間限定で登場!
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『おいしい浮世絵展 御前』なら、元祖の握りずしが食べられます! 江戸時代に登場した握りずしは、現在の握りずしの2倍から3倍くらいの大きさなのです。
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他にも卵とじ丼、豆腐田楽、海老の天ぷら、水菓子のスイカと、展覧会で学んだ江戸の食がいっぱい!
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『利き酒セット3種』も堪能したい。 東海道五十三次に関連する日本酒が7種類も用意されているそうですよ。
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会場風景
おいしい浮世絵を見て、江戸の和食に舌鼓を打つ… この度の展覧会、アートと美食が融合した総合芸術となっております。 Share!▶︎ ※取材許可を得て撮影しました。

展覧会基本情報

展覧会名:おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~ 会場:森アーツセンターギャラリー(六本木) 会期:2020年7月15日(水)~9月13日(日)※会期中展示替えあり 休館日:8月14日(金) 開館時間:10:00~20:00 ※7月21日(火)・7月28日(火)・7月30日(木)・8月28日(金)は17時閉館(入館は閉館の30分前まで) 所要時間:2時間 観覧料:一般は1800円 ※日時指定予約制 公式HP:https://oishii-ukiyoe.jp

関連情報

関連書籍です。 本展で見た浮世絵がいっぱい。 本展とあわせて見たいのが、すみだ北斎美術館の大江戸歳事記展です。 こちらも江戸文化がしっかり学べます! 新宿の損保ジャパン日本興亜美術館が、SOMPO美術館に生まれ変わりました! 新たな美術館用の建物に場所を移り、開館記念展が始まりました。 アーティゾン美術館では、鴻池朋子さんの展覧会が始まりました。 誰に聞いても良い評判の展覧会。 YouTubeの動画づくりを頑張ってます!
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