本当の「侵略の定義」の話をしよう/フォーゲル教授の戦争講座

政府答弁「侵略の定義、確定せず」。実際は、70年代に国連で定義が確定済み。かたや菅官房長官は、ロシアのクリミヤ併合を「力による現状変更の試み」と批判、「侵略」と呼んだ。どうなってんの、安倍内閣?

更新日: 2016年11月15日

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いや、そこまで深読みすることもあるまい。たしかに和田政宗のほうでは村山談話を骨抜きにしようとの意図が満々だが、政府としては答え方しだいで地雷を踏まされかねない質問でな。

「植民地支配」及び「侵略」の定義については様々な議論があり、お尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、安倍内閣としては、平成七年八月十五日及び平成十七年八月十五日の内閣総理大臣談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる。

以上が、政府から和田議員への答弁書の全文である。

もしも女性に熱烈な愛を告白した返事がこれだったら、泣けてきちゃう。

仮にも政府からの答弁書ですよね。そのうえ閣議決定されたのが問題になってる文書なのに、この分量って……。

よいか。閣議決定とは特別なものではない。連日のように様々な案件で閣議による決定がなされておる。もとより政府答弁書というのは、閣議決定されてから出す仕来たりなんじゃ。

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/
つまり。
国会議員なら誰が質問主意書を出しても、閣議決定のされた政府答弁書を受けれるのである。
けっして和田政宗議員の質問が特別に重視されたわけではない。

この素っ気ない答弁書が、何を意味するか? ようするに政府から、「ヘタな回答で波風立っては困るから、適当にあしらっておけ」との態度で応じられたというわけじゃ。

文面が通り一遍というかマニュアル通りというか、ことなかれ主義でお役所調の言葉の濁し方ですよね。なんだか、外務省の南京事件や慰安婦問題への認識についての文言を使いまわした感じ。

世界のメディアが右傾化の疑念をもって注視、その件でアメリカから圧迫されたら手も足も出ないのが安倍政権の現状である。本音は村山談話に地上から消えて欲しくとも、今のタイミングで露骨に歴史認識を問われるとはいかなる意図からにせよ迷惑以外のなにものでもあるまい。

ようするに。和田政宗という男が人騒がせにも、政府答弁書のあの短い文面を我田引水、「侵略の定義がないので侵略を認めた村山談話は異常だ」と、さも決定的発見であるかのよう言い立てておるにすぎん。

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和田政宗とは

NHK仙台放送局のアナウンサーを2013年退職、7月の参院選に宮城選挙区からみんなの党公認で出馬し当選。

2013年9月、オーストラリア戦争記念館を視察時、床に旭日旗の映像が投射されていることを発見、大使館を通して抗議し映像の投射を取りやめさせる。
2014年3月、参議院予算委員会で、東京裁判でのA級戦犯の定義「平和ニ対スル罪」に、懐疑を呈する発言。
2014年11月、みんなの党解党後、次世代の党に入党し、政策調査会長に就任。

憲法改正に賛成。TPP参入に賛成。村山談話および河野談話について、いずれも見直すべきとしている。
日本会議所属。

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侵略の事実があるのに「侵略の定義」がない?

★国際法上の侵略の定義 oncon.seesaa.net/article/109076… >我輩は「侵略」である。定義はまだ無い。 なるほど♪

記者に「侵略云々・・・」って質問を受けたら、「国際法上の侵略の定義を教えて下さい」って、逆質問してやればいい。 答えられるわけがない。 決まっていないはずだから・・・ #サンデーモーニング #tbs

「村山談話継承しろ!」ってんだったら、『植民地支配』『侵略』の定義を示した上で、その事例上げて下さい。 全部反論してみせる、1つ残らず反論してみせる!

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さて。なぜに、「侵略の定義がないから侵略を認めたこと自体、無効」という粗暴な屁理屈が通ると思い込んだ輩がのさばるかといえば。2013年に安倍晋三がなした閣議決定が前提としてある。

国際法上の侵略の定義については様々な議論が行われており、確立された定義があるとは承知していない。
また、御指摘の「国際的な合意に相当するもの」の意味するところが必ずしも明らかではなく、国際連合総会決議第三千三百十四号及び国際刑事裁判所に関するローマ規程(平成十九年条約第六号)に関する御指摘の改正決議が「国際的な合意」に相当するかどうかについて、一概にお答えすることは困難である。

わかりきったことを、はぐらかし、またはぐらかし、さらにはぐらかして逃げまくった感じの説明。