娘2人が車内で放置死…PTA役員の母親が重ねたウソと男の影

娘2人が車内で放置死…PTA役員の母親が重ねたウソと男の影

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「持病のため、2時間ほど車を離れてトイレに行って戻ってきたら、2人がぐったりしていた」

 幼い娘2人を車内に約15時間40分も放置した母親は、駆け付けた救急隊員にとっさにこうウソをついていた。

 4日、保護責任者遺棄致死容疑で香川県警捜査1課に逮捕された、母親で無職の竹内麻理亜容疑者(26)は、長女の真友理ちゃん(6)と次女の友理恵ちゃん(3)を車内に置き去りにしたまま男と酒を飲み明かし、男の家に泊まっていた。

 麻理亜容疑者は2日午後9時ごろ、幼い娘2人を乗せたまま高松市常磐町のコインパーキングに白のBMWを止め、1人で夜の街へ出掛けた。1軒目と2軒目は1人で飲んでいたが、3軒目で男と合流。翌日の朝方、男の家に転がりこんでいる。顔見知りの店員には「子供は預けてきた」と話していた。

 麻理亜容疑者は男の家で7時間ほど過ごした後、3日午後0時半ごろ、コインパーキングまで戻ってきた。なぜかBMWを約50メートル離れた路上まで移動させ、10分後の0時40分、消防に通報。2人は搬送先の病院で死亡が確認された。死因は熱中症で、車内には食べかけのパンと、飲みかけのミネラルウオーターが残されていた。3日の高松市内の最高気温は37・6度だった。

■夫に隠れて男と会っていた?

 麻理亜容疑者は夫と娘2人の4人暮らし。夫は6年ほど前に会社を立ち上げ、3年前に現在の自宅兼職場に引っ越してきた。麻理亜容疑者は娘2人が通う幼稚園でPTA役員を務めていた。1日から2学期が始まったが、8月、園に電話をかけ、新型コロナウイルスの感染防止を理由に「感染が怖いので7日から登園させる」と伝えていた。BMWは麻理亜容疑者名義だった。

 県警は「逃亡、自殺を図る恐れがあったことから逮捕した」と説明しているが、麻理亜容疑者はウソを重ね、何を隠そうとしてていたのか。

「証拠隠滅の恐れもあったので、早期に逮捕する必要があった。幼い子を15時間以上も放ったらかしにしていたのだから、車に戻った時点で真っ先に2人の様子を確認したはずです。衰弱しているのを認識しながら、すぐには通報せずに、わざわざ車を移動させたと考えられます。ご主人はアリバイがあり、今回の事件に一切関係しておらず、家庭状況について事情を聴いています。麻理亜と男がどういう関係だったかは把握していますが、ご主人は奥さんが飲み歩いていることは知らなかったそうです。ウソをついて出掛けた可能性もあります」(捜査事情通)

 麻理亜容疑者が夫に隠れて男と会うために、2人の尊い命が犠牲になった。

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