朝鮮日報

【寄稿】コロナ・ファシズム

二つの顔を持つコロナ…疾病と政治、二つの側面を区別すべき
コロナ防疫の状況を活用した統治術…失政と民主主義破壊を隠蔽(いんぺい)
医療界のストを招いたファシズム…国民の生命より権力強化を優先

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はコロナ防疫を利用した生体権力で韓国国民を治めている。K防疫には光と影が混在する。政権が便乗したコロナ防疫は、韓国の医療システムの先進性と医療関係者の献身、市民意識の合作による産物だ。これはCOVID-19から韓国国民の生命を守る前向きな効果だ。一方、K防疫を装った政権の生体権力は、韓国国民が自発的に政治権力へ服属するよう仕向けた。コロナ危機が悪化するたび、政権支持は上昇した。これは文政権の失政と民主主義破壊を隠す否定的な効果だ。

 韓国の医療問題は、文政権のコロナ・ファシズムが作動している最前線だ。ファシズムは左右のイデオロギーの境界を超え、反自由民主主義的な一党独裁で法治主義と三権分立を毀損(きそん)する。指導者を崇拝する群衆をけしかけ、反対者を「国の敵」とののしる。民族と共同体の感性に訴え、合理主義と個人的自由を弾圧する。結局のところファシズムは、大衆の支持を得た大衆独裁として表出する。文政権による長期政権企画から出てきた「4大医療政策」は、コロナ・ファシズムを証明した。行政・立法・司法のハードな権力と御用メディア・市民団体のソフトな権力による合作で、医療界の反発を抑え付けている。

 医療問題において、文政権は二重包囲戦術を駆使している。行政権力で医療界を強く圧迫すると同時に、医師らの集団利己主義を非難する世論戦を展開している。所得主導成長・脱原発・検察改革で愛用した戦術だ。抵抗する相手を絶えずたたき、「積弊勢力」として追い込む。文在寅大統領は医師と国民を組分けし、医師を既得権集団とけなし、今では医師と看護師まで分断した。改革にかこつけた分断は、自己陣営だけのための超法規的な「特権の城」を築くためのものだ。特定地域や御用団体の支持でヘゲモニーを固め、長期政権を実現することが文政権の究極の目標だ。

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