朝鮮日報

【寄稿】コロナ・ファシズム

二つの顔を持つコロナ…疾病と政治、二つの側面を区別すべき
コロナ防疫の状況を活用した統治術…失政と民主主義破壊を隠蔽(いんぺい)
医療界のストを招いたファシズム…国民の生命より権力強化を優先

【寄稿】コロナ・ファシズム

 コロナ問題は二つの顔を持つ。疾病としてのCOVID-19と、政治現象としてのコロナに区別しなければならない。COVID-19は深刻な感染症だ。「風邪にすぎない病気」を資本と権力が重大疾病に膨らませた-というのは典型的な陰謀論だ。COVID-19が高齢者や慢性疾患の患者にとって大きな危険になるという事実は、全世界で科学的に立証された。韓国でも60歳以上の確定患者や重症患者が増え、重症者用の病床が足りなくなった。COVID-19は韓国国民の生命を実際に脅かしている。K防疫の先鋒(せんぽう)将である、鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長が「信頼される人物」に挙げられる理由はここにある。

 コロナ問題は、疾病を超えて「コロナ政治学」へと拡大している。伝染病は政治権力の正当性を揺さぶり、その伝染病を扱う「生体権力(Bio-power)」がコロナ政治を触発した。古い統治権力は、臣民を「殺す」力で君臨し、現代の権力は、臣民を「生かす」力で登場する。生体権力は人を生かすことを優先し、われわれの体を権力の「観察、判断、検査」に従属させる。規律的生体権力のパノプティコン(Panopticon. 全方位的監視網)の下で、われわれは体制へ自発的に飼い慣らされていく。身体と精神が飼い慣らされるとき、人間の自由は皮を残すのみとなる。ソフトな顔つきのビッグブラザー、生体権力がコロナ・ファシズムの門をさっと開ける。

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