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クラス「無職」になってしまい公爵家を追放された俺だが、実は殴っただけでスキルを獲得できることがわかり、大陸一の英雄に上り詰める。 作者:アマカワ・リーチ
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3.リートの力

「殴ったら相手のスキルを取得できるらしい」


 キャラバンが目的地にたどり着き、荷物持ちとして職務を終えたリートは、すぐさま街の神殿へと向かった。


 神官にスキルとクラス鑑定を依頼するためだ。


「ふむ、……むむ。これは……」


 リートを鑑定した神官は、水晶に現れた文字を見て驚く。


「クラスは――空白。じゃが、スキルには“肉体強化”“剣戟強化”とな。これは驚いた。剣士でもないのに、剣士のスキルをもっとるとは。いったい何が起きたんじゃ」


 基本的に、スキルは誰でも身につけられるものではない。

 ただの農民や商人が、戦闘向けスキルである肉体強化や剣戟強化のスキルを身に付けることはできないのである。


 しかしリートは、それができた。


「そもそも、18を超えて神託を受けたのに無職というのは、いったいどういうことなんじゃ。わからんことだらけじゃ」


「神官様でもわからないんですか」


 神官とリートは二人して困惑の表情を浮かべる。


 だが、少しすると神官が思い出したように呟いた。


「もしかして……」


「何か心当たりがあるんですか」


 リートが聞くと、神官は神妙にうなづく。


「一つ思い出したのじゃ。神託でクラスを与えられなかった者というのが、実は過去にいるらしいと」


「ほんとですか?」


「直接見たわけじゃないが……その者は隠しスキルを持っておった」


「隠しスキル?」


 鑑定で確認することができないスキルのことを隠しスキルという。

 極めてレアだが、存在するということは知られている。


「その者が持っていたのは、“戦った相手のスキルを模倣できる”というものじゃよ。それをそなたが持っているなら、クラスがないのにスキルを持っている理由が説明できる」


 その話を聞いて、リートは盗賊を殴った時にスキルを得たことを思い出す。


「あの、実は……」


 神官にことの経緯を話すと、「おそらく、それじゃな」と告げられる。


 過去に自分と同じような力を持っていた人間がいたかもしれない、という話にリートは少し安堵する。


「もっとも、詳細は不明じゃ。私には確かめる術もない。お主が自分で確かめていくしかないの」


 リートは、神官にお礼を言って神殿を後にする。


 ――リートは次の行動を考える。


 力のことをもっと調べたい。

 だが、何か具体的なプランがあるわけではない。

 それならば――


「騎士になろう」


 それは、昔からの夢。

 一度は絶たれたその夢だが、今なら挑戦できる。


 ちょうど、クラス分けの三週間後に、王都で採用試験が行われる。


 ――俺の剣技を、力を試してやる。



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