パパが、私達を棄てたから

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夫が社会に出てくるのを待てる経済力があれば

拘留中の無様な夫の姿を、子どもに見せようとは思わなかっただろう。子ども達の中の記憶は、一緒に料理をして、一緒に野外活動をし、一緒に勉強してくれて、患者さんに慕われるパパなのだ。

 

離婚後、我が家の生活は一変する。ママはいつも営業で家にいなくて、自分達で料理して食べなきゃいけない。宿題もみてもらえない。習い事もできない。授業参観にもイベントにも、誰も来ない。欲しいものも我慢して言えなくなる。旅行もいけない。体力のないママは、いつも家ではぐったりしているか、営業mailを打っていて、話もきかない。それらはすべて

 

パパが、私達を棄てたから

 

おとなの私でも死にそうになったのに、6歳8歳にとって、棄てられた現実と直面するのって、どれほどの衝撃なのかな。と考えて、過呼吸気味でよく眠れなかった。

 

だが私は言わなくてはいけない。

「よくみなさい。あなたたちを棄てたパパの姿を」

と。パパには、私達より大切なものがあったのだ。

その大切なもののために、私たちは棄てられたのだ。

 

子ども達を情緒豊かに育ててやりたかった。せっかくいい子に育ってきたところだったのに。それは、余裕のある安定したご家庭にしか許されない。パパに棄てられた我が家では、とりあえず食べさせて、成人するまでの時間をやりすごすだけでも難しい。

 

今後子ども達から何かをせがまれたとき、わがままを言われたとき

「しょうがないよ。私達はパパに棄てられたんだから」

といい、黙らせることになるんだろう。

 

実際私も「棄てられたんだから仕方がない」と考えて、思考停止して、それ以上深く考えないようにして、目の前のことを片づけています。