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2007年12月 1日 (土)

犬の血液型判定薬を無許可販売、薬事法違反で「シゲタ動物薬品工業」社長(元ブルー十字社長)を逮捕!

 報道によると、犬の血液型判定薬を製造販売している富山県小矢部市の「シゲタ動物薬品工業」の西尾義行社長(57)、役員、従業員、計5名が富山県警に薬事法違反(無許可販売)の容疑で逮捕されました。

この西尾社長は、元は10年前に倒産した輸血用の犬の血液を販売していた「ブルー十字」の社長で、シゲタ動物薬品工業はそのブルー十字を再建したもの。


1997年、石川県にあったブルー十字の倒産で富山県小矢部市の飼育施設内の440頭もの犬猫が放置状態となり、元社員がなんとか世話を続けていた状態。電気も停められようかと言う時に富山市内の小さな動物愛護団体が介入し、全ての犬の譲渡を行ったのですが、譲渡直後からブルー十字側が犬の返還を要求したり、何かとゴタゴタがあり、どうなるのかと思いながら報道をみていたのを覚えています。

最近でも、参加していた大阪の某愛護団体が捏造本を出版したとかで譲渡を主催していた地元の団体とトラブルになっているようです。(某愛護団体のほうがおかしいと思います。当時の報道を見ていた人であればすぐにわかることです。)

問題のシゲタの血液型判定薬のことはテレビでも紹介されていたので知っていましたが、その判定薬を獣医師に無許可で販売し、農林水産省が昨年2月に告発し、今回の逮捕となったとのこと。また、判定薬は国の承認を受けていない未承認医薬品の疑いもあるようです。


シゲタは、文部科学省からも下記のリンク先にあるように厳重注意を受けており、かなり問題がある企業のようで、私としてはお騒がせ企業と言う印象があります。農林水産省による告発の経緯は、一昨年4月に農林水産省が立ち入り調査に入り、再三、無許可販売をやめるように行政指導を行ったものの、指導に従わなかったために昨年2月に告発に踏み切ったとのことですが、たかが無許可販売(と言えば語弊があるかもしれませんが)で農林水産省が直々に立ち入り調査したり、刑事告発すると言うのは異例のようにも思うのですが。オークションでフィラリア予防薬を売るのも今回の逮捕容疑と同じく無許可販売ですよ。こちらのほうは黙認しているわけではないと思いますが、サイト運営者側が非協力的であることもあり、事実上、放置状態です。(まぁ獣医師に売るのと、一般に売るのとでは意味合いが違います)むしろ、未承認のほうが問題で、効果の不明(公的に証明されていない)な未承認薬の判定結果で医療行為が行われることになるため、飼い主としてはこちらのほうが怖い。薬事法違反があったとしても、普通は都道府県の担当課が立ち入り調査を行い改善すべき点があれば指導する程度で終ると思うのですが(勧告や命令に従わない場合には悪質であるとして告発することはありますが、告発までには数年を要することもある。)、農林水産省が告発したと言うのはよほど重大なことをしたのではないか。鳥インフルエンザのワクチンが狙いであるなら納得できますし、こちらのほうが重大な問題で、少なからず関係しているのかもしれません。未承認ワクチンの事件としては、某ハムメーカーの子会社が未承認の豚コレラワクチンを製造販売して摘発された例があり、それが原因と思われる発生もありました。この事件では農林水産省が告発しています。また、茨城県で相次いだ鳥インフルエンザの発生は、密輸入された未承認ワクチンが原因との説があります。

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2008年7月11日(金曜日)
動物用医薬品の製造販売に関する薬事法違反に係る処分について(農林水産省)

農林水産省は11日、「薬事法違反に係る処分について」を発表した。

それによると、シゲタ動物薬品工業株式会社(所在地:富山県小矢部市小森谷4569番地1 代表者:西尾義行(代表取締役))は、薬事法(昭和35年法律第145号。以下「法」という)第83条第1項の規定により読み替えて適用(※)される第14条第1項の医薬品製造販売の承認及び第24条第1項の医薬品販売業の許可を受けず、かつ、法定の除外事由に当たらないにもかかわらず、平成17年4月から5月までの間、同社で製造した医薬品である犬血液型判定薬を含む血液型判定用具セットを医薬品製造販売の承認及び動物用医薬品販売業の許可を受けずに同医薬品を製造・販売していた。

そのため、法第83条第1項の規定により読み替えて適用(※)される第12条に基づく動物用医薬品製造販売業に係る業務及び第13条に基づく動物用医薬品製造業に係る業務を平成20年7月12日から8月20日までの40日間停止するよう命じた。

(※:読み替えて適用とは、専ら動物のために使用されることが目的とされているものに関しては、薬事法83条(動物用医薬品等)で指定された条文の該当部分(例:厚生労働省→農林水産省)を読み替えて適用することを示す)

投稿: シゲタ偽物薬品工業ニセ薬販売事件 | 2008年7月12日 (土) 15時27分

シゲタ薬品未承認薬販売:薬事法違反の被告に有罪判決--地裁 /富山

シゲタ動物薬品工業(小矢部市小森谷)=既に倒産=による未承認薬販売事件で、薬事法違反(無許可販売)の罪に問われた、元同社役員、鷲尾政二被告(55)=南砺市細木=の判決公判が26日、富山地裁であった。手崎政人裁判官は「違法性を認識しながら従業員を指揮した」として懲役1年・執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。

 判決によると、鷲尾被告は同社社長の西尾義行被告(58)=同罪で既に起訴=と共謀。05年、名古屋市などの動物病院3軒に、農林水産省の承認を受けていない犬用血液型判定薬を2~3万円で無許可販売した。

 鷲尾被告は無罪を主張していたが、手崎裁判官は「営業活動をするなど中心的役割を果たしたことは明白」と退けた。【茶谷亮】

毎日新聞 2008年3月27日 地方版

投稿: ブタ箱一筋 | 2008年3月29日 (土) 13時41分

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上記記事農水省が「再三、無許可販売をやめるように行政指導を行ったものの」とあるが、嘘。県と農水省が一度指摘した後は出していない。深く関わった人間も退職者は逮捕されておらず、明らかに会社つぶしが目的。

投稿: 関係者 | 2008年1月 2日 (水) 23時13分

上記記事農水省が「再三、無許可販売をやめるように行政指導を行ったものの」とあるが、嘘。県と農水省が一度指摘した後は出していない。深く関わった人間も退職者は逮捕されておらず、明らかに会社つぶしが目的。

投稿: 関係者 | 2008年1月 2日 (水) 23時11分

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