「うなぎ文」「こんにゃく文」に見る日本語の特異な面白さ
「ぼくはウナギだ。」「こんにゃくは太らない。」…この奇妙な日本語が、日本人の間では通じ、外国人には理解されない理由。
更新日: 2017年01月16日
「ぼくはウナギだ。」「こんにゃくは太らない。」…この奇妙な日本語が、日本人の間では通じ、外国人には理解されない理由。
更新日: 2017年01月16日
『うなぎ文』とは
「ぼくはウナギだ。」
この一文だけでは、何を言っているんだコイツは?となりますが、前後の文脈を辿ればこれがちゃんと日本語として通用するのです。
日本語などに見られる特徴的な表現方法で、例えば、食堂で料理を注文するのに、「ぼくはうなぎにする」の代わりに「ぼくはうなぎだ」ということがある。同様に「私はジュース」「俺ビール」などもある。
このような「ぼくはうなぎだ」に代表される、〜は〜だ、という形の表現をうなぎ文という。
「うなぎ文」という俗称は言語学者の金田一春彦が例としてこの構文を取り上げ、それを深く研究した奥津敬一郎によって命名されたもの。
自分が人間ではなくうなぎだと告白したわけではない。うな丼に決めたと言っただけだ。
出典うなぎ
「ぼくはウナギだ」の部分だけを見ると、英語で言う"I am an eel."のようになってしまい、見方によっては衝撃の告白になってしまいます…w
「オレはカツ丼、お前は?」
「俺、ウナギ」
これが成立するのは日本語ばかりではない。しかし日本語はウナギ文生成の制約がゆるく、面白いウナギ文が量産される言語の一つではある。
この「うなぎ文」から分かることは、日本語で「AはBだ」という場合、英語の「A is B」(A=B)という意味をさすわけでは必ずしもなく、何らかの「関係の結びつき」を表すことがあるのだ、ということ
これは日本語独特の言い方であって、もし英語で、"I am an eel."と言ってしまうと、「お前、誰だよ!」と突っ込まれてしまうので、注意しましょう(笑)
『こんにゃく文』とは
「こんにゃくは太らない」
えっ…蒟蒻は生き物じゃないんだから太るも痩せるもないじゃん…
普通はそう思ってしまいますよね。
「ウナギ文」の親戚関係にある文として、「コンニャク文」というのがある。
コンニャク文とは「コンニャクは太らない(コンニャクを食べても太らない、という意味)。」の様な文
「こんにゃくは太らない」
普通にこの一文だけだと意味がわかりませんが、文脈によってはこの日本語は日常でよく使われる表現になります。
もちろん、コンニャクが太っていく訳ではない。「コンニャクはいくら食べても、食べた人は太らない」という意味だ。
「コンニャクの話ですよー」と主題を示し、食べ物と太る関係を述べている共通認識があるから、そこは省略し、「太らない」と述部を述べているだけなのだ。
こんにゃく文はうなぎ文と「主題+補語なし基本文」という点で共通していることに注目です。
日本人が英語を苦手とする理由
題述関係を理解しないで、うなぎ文やこんにゃく文を英語のように主語を要求する言語に翻訳しようとすると、"I am an eel."や"Konjac doesn't get fat."のような全く意味の異なる文を作ってしまいます。
いわゆる「うなぎ文」のような文を生み出す構造は、日本語にも英語にも備わっている。ただし、その構造に基づいて現実に文が生み出され、使用される点になると、英語ではその範囲においても、頻度においても日本語より強く制約される。
日本語の曖昧さのひとつとして、「主語を省略するので具体的に誰の行為なのかはっきりしない」という特徴が、たびたび取り上げられる。
日本語の主語を必要としない特異な文法は、英語話者にとって理解されづらい部分があるようです。
英語は主語が必要だが、日本語は主語は必要でないことが多く、言わんとする主題が重要である。
出典日本語は主題中心
日本語は「主題優勢言語」と呼ばれ、主語を重視しません。
対して英語は「主語優勢言語」と分類されており、そもそも構造上の性質が全く異なるものなのです。
英語を喋るときは、このような発想で常に考えるようにしてみてください。そのためにも、やはり”日本訳の英語の発想”は今すぐに捨てるべきです。
“何かをする人(物)が、何かをする(しない)” と、いつも言おうとしてみてください。
例えば「明日は遠足だ」という日本語を英語に訳そうとすると、主語や主題について理解がないとそのまま"Tomorrow is picnic."のように意味不明の英語になってしまいます。
"誰が"遠足に行くのか、という部分を意識すれば、"We are going on picnic tomorrow."と自然な英語になります。
みんなの声
"日本語学だと「うなぎ文」と名付けられた語法があるぞ。 「今日は暑いですね。僕はそばにしますが、先輩は何を食べます?」 「俺はうなぎだ」 日本人がみると普通の風景だろ?でも外国人は大混乱になるんだ。..." tmblr.co/ZG05By1l7_2cE
いわゆるうなぎ文の解釈の問題の難しさは,言語論においてまるで常識であるかのように評論の中に埋め込まれて文脈がないまま考えなければならない,という。 本当に前後にそれに関する情報が一切ない。
うなぎ文、こんにゃく文という言葉を初めて聞いた。「ぼくはうなぎだ」、「こんにゃくは太らない」。言葉が省略されているんですね。機械翻訳には厳しい。
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