iac4c TOP >CENEGENICS JAPAN株式会社からのコメントについて

当社が関与して治験を実施しておりますメキシコは、いまなお(令和2年6月12日現在)、新型コロナウイルス患者の増加傾向が沈静化せず、毎日3000人から5000人の新規感染者をだしております。

人口規模をほぼ我国と等しくするメキシコにおいて、連日数千人規模の新規感染者が増加しているという状況は、適正な医療提供体制を揺るがすに十分な数となっています。

当社が、メキシコにおいて治験を検討した本年3月段階では、同国の日々の新規感染者は100人程度であったことを考えますと、メキシコの感染拡大について、非常な心配をもってこれを見守っています。

我国を含むアジア圏では、新型コロナウイルス感染者の増加傾向が相当の沈静化を見せておりますことは、誠に幸いでありますが、世界はなお、未曽有の混乱の中にあり、治療薬の開発が切望されていることを忘れるわけにはいきません。

このようななか、当社がマスコミ発表したメキシコにおける治験について、メキシコ国内の病院に対して取材がなされ、治験が実施されていないかの憶測が報道されました。

どのような意図により、どのような取材をしたものかは関知するところではありませんが、当社は、当社の関与しておりますメキシコにおける治験は、実施されており、これを示す文書も保持しております。

また、現在、メキシコ渡航中の当社代表者藤森徹也が、旅程を延長して治験現場をレポートすることといたしました(メキシコからの帰国者は2週間の自宅待機となりますため、1日も早い帰国が望まれますが、必要な活動と考えてやむなく旅程を延長いたしました。)。

本音を申し上げれば、当社は、治験の有無を問うような論争に、大きな興味はありません。結果をもって、皆様にご報告ができる日が間近であることを信じているからです。

しかしながら、当社が、これまで複数の広報活動をしてまいりましたことに対する説明は必要であろうということ、今般の報道が、与える悪影響についての対応が必要でありますことから、この場に、一定の意見と方針を記載させていただくことといたしました。

まず、当社が、複数の広報活動をしてまいりましたことは、未知のウイルスに対し、可能性のある材料や確からしい治療方法を提唱提案していくことに意味があると考えたからにほかなりません。

未知のウイルスにあって、有効な方法論は試行錯誤を経ずして確立できないものであり、当社が考える重症化のカギがサイトカインストームにあることや、人間の幹細胞にサイトカインストームを抑え免疫を調整する機能があることを広報することによって、これらに対する認知は拡大し、一定の説明や治療法としての社会的理解が深まったものと自負しております。

未知のウイルスにあって、治療が可能であるという希望の灯を絶やすべきではありませんし、仮説と検証によって、よりよい治療法が実施の主体にかかわらず確立されることは、当社として強く願うところであり、これまでの広報活動に誤りがあったとは、考えておりません。

また、この問題を考えていくためには、メキシコの現状を十分にご理解いただく必要があります。

先にも述べましたが、人口規模を我国と等しくするメキシコにおいて、日々3000人から5000人の新規感染者が増加している状況は、混乱以外のなにものでもありません(我国の1日の新規感染者数は最大値で750人弱であり、にもかかわらず、医療崩壊が真剣に憂慮されておりました。)。

このようななかで、当社はメキシコの新型コロナウイルス治療の基幹病院にて治験を実施しています。

治験の実施の有無や内容、まして、治療に使用する薬剤の出自などについて、身元の明瞭でない電話などによる取材に治験担当病院が対応できないことは、平時でも当然のことでありますが、現在感染爆発中のメキシコの医療関係者の恐れのひとつは、新型コロナウイルスの治療が可能であることを知った患者の殺到により、医療崩壊が進行してしまうことにあります。

治験ですので、最低限の公知や、具体的患者に対する告知は当然必要ですが、患者殺到による医療崩壊の進行を防ぐため、当社は、今回の治験開始にあたって、メキシコ国内向けの報道は行わないという約定をしております。

当該治験の検討を開始した段階では、予想のできない事態ではありましたが、そもそも、治験の目的は病気の快癒と生命の救済なのであり、当社としては、メキシコの医療事情に配慮しない進行はできないと考えております。

知る権利や報道の自由がありますことは、無論承知しておりますが、我国の治験であっても、治験の内容や薬剤の出自を治験担当病院に電話で問い合わせて回答を得られることはありませんし、そのような問い合わせ自体が当然に控えられているところです。

まして、感染爆発中のメキシコの現状にあって、回答がなされないことは、当然であり、当社として、メキシコの治験担当病院を責めることはまったくできないと考えています(平時であれば問い合わせに対応した者を特定し、回答内容を確認し、不適切であれば改善を求めるところですが、今般のメキシコにこれを求めることそのものが酷であると考えております。)。

今般の報道について、心を砕かれておられる方もありましょうが、当社としましては、冒頭に述べましたとおり、結果をもって応えることができると自信をもっておりますので、治験の存否に関する論争そのものには、大きな興味をもっておりません。

しかしながら、このような報道がなされることによって、メキシコの医療関係者の時間は奪われ、心が削られることを放置することはできないと考え、今般の掲載とさせていただいております。

当社の事業の一環ではありますものの、やはり問い合わせが爆発すれば、当社にとっても、本来なすべき業務に割く資源が削られ、日本国内で行うべき業務が遅延いたします。

我国で一定の沈静化を見せているとはいうものの、南北アメリカ大陸は、今なお、感染拡大が沈静化しておらず、有効な治療法の提供は急務と考えておりますところ、一刻も早い治験の完了と薬剤の承認と、これによる病苦からの解放、生命の救済こそが当社の使命と考えております。

一定の広報活動は、未知のウイルスに対する理解と治療法の認知に効果的であると考えて、これを実施してきましたが、広報活動が、医療現場を混乱させ、必要な治験を停滞させるのだとすれば、当社も広報活動を控えることを真剣に検討せざるを得ません。

結論的に申しますと

①治験は実施されており、当社は、これを示す書面も保持しております。

②現在メキシコ渡航中の当社代表者藤森徹也より、都度、これを示すレポートを発信いたします。

③上記②のレポートは行いますが、今後の広報が、メキシコを含む関係者に業務の遅延をもたらすことを懸念しますため、広報のあり方を変更する可能性があり、検討の後、決します(現時点では変更しない可能性もございます。)。

当初、今回の治験を検討した段階と異なり、現在、南北アメリカは世界で最も感染の心配される地域となりました。

そのちょうど中央に位置するメキシコにおいて、治験を実施したのは、同国が、細胞治療に進んだ制度と環境を持っていた(一般的な医療水準は我国よりも低いと推察されますが、特定分野にて先進性を持っている国は少なくありあません。特に新分野にあっては、規制の質や量が優れている外国は多数ございます。)ことによりますが、治験とはいえ、最も必要な場所に最も必要な治療をお届けできていることは、ただの偶然ではないのかもしれません。

南北アメリカに病苦に苦しみ生命を危険に晒しておられる患者があることは、不幸なことでありますが、これらの方に必要な治療をお届けし得るということに矜持をもって、今後も、治験の完了と薬剤の開発に邁進してまいりますので、ご協力賜りたくお願い申し上げるところです。

PAGE TOP