(cache)BIM/CIM/設計データを施工に適用/23年度原則化目指し工程/国交省 | 建設通信新聞Digital

9月7日 月曜日

行政

BIM/CIM/設計データを施工に適用/23年度原則化目指し工程/国交省

BIM/CIM適用拡大の進め方
【2020年度内に3次元モデル成果物要領案】
 国土交通省は、2023年度を目標とする公共工事でのBIM/CIMの原則適用に向け、段階な取り組みを示すロードマップを提示した。BIM/CIMを事業に導入する動きが広がってきたことを踏まえ、設計業務、工事のそれぞれで“活用”するだけでなく、一気通貫でデータを“適用”できるようステップアップする。20年度に3次元モデルの納品要領を制定し、21年度以降要領に基づく詳細設計を実施。22年度以降にはその詳細設計を工事に適用していき、23年度に小規模構造物を除いて原則化する。 1日に第4回BIM/CIM推進委員会を開き、BIM/CIM適用拡大に向けた進め方について検討した。委員長の矢吹信喜大阪大大学院教授は、「国交省のBIM/CIM原則化も当初は25年度からということだったが、前倒しをして23年度から一般化していこうという動きで進んでいる。加速することになるので、遭遇することが予想される課題があるが、困難に負けずによりよい方向でBIM/CIM、i-Construction、ひいてはデジタルトランスフォーメーション(デジタル革新)を推進すべく議論をしたい」とあいさつした。
 19年度のBIM/CIM活用事業の実施件数は、設計業務が254件、工事が107件。いずれも18年度実績(設計業務147件、工事65件)を大きく上回り、活用が進んでいることが確認できる。
 原則適用の対象は一般土木工事と鋼橋上部工事。20年度に、設計の成果物に発注者が求める要件を定める「3次元モデル成果物作成要領(案)」を制定。要領(案)に基づく3次元モデルの作成・納品を詳細設計では、ダムやトンネルなど大規模構造物で21年度から、それ以外の一般的な構造物(小規模は除く)で22年度から原則化する。
 3次元モデル成果物作成要領(案)には、当面の間求める「2D+3D納品」の3次元モデルの成果物の要件を定める。従来の2次元図面のすべての内容を3次元モデルとして作成するのではなく、3次元モデルから出力された2次元図面に注記、寸法を入れて2次元の契約図書を作成する方針を明記する。
 例えば、設計照査で使用する建築限界の明示や3次元モデルからの切り出しによる2次元図面作成、設計意図伝達を目的に時間軸を加えた4D施工計画、施工段階での出来形検査のための構造物の外形など後工程(施工段階)での利用する部分に限定した納品要件を規定する。
 その詳細設計の成果は、翌年度の工事で原則適用する。大規模構造物では22年度から、それ以外の一般的な構造物(小規模は除く)では23年度から設計3次元モデルを使った設計図書の照査、施工計画の検討を求める。