現代自動車、燃料電池トラックを欧州に輸出

2020/7/6 15:00

【ソウル=細川幸太郎】韓国の現代自動車は6日、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の商用車を欧州に輸出し始めたと発表した。まずスイス向けにトラック10台を出荷した。長期間のリース契約方式で2025年までに1600台の輸出を目指す。

現代自動車はスイスに燃料電池トラックを輸出する(韓国全州市の同社工場)

現代自はスイスで水素インフラを整備する合弁会社を設立しており、現地企業と連携して水素ステーションなどのインフラ整備も手掛ける。スイスを基点として欧州全域に輸出を広げる計画だ。韓国政府も水素社会の普及に注力しており、各国政府に働きかけるという。

今回輸出したトラックは食品流通業が採用する。食品を各店舗に運ぶため運行ルートが決まっており、燃料補給のインフラを整備しやすい。電気自動車(EV)は充電に時間がかかるのに対し、FCVは燃料の補給時間が短いため輸送用トラックに適していると顧客企業は判断したという。

現代自は商用車のほか、乗用車ブランド「ネクソ」でFCVを販売している。韓国政府と共同で国内で水素ステーションを整備してFCV普及を進めるが、充電インフラの整備が急速に進むEVにやや押されている。環境規制の厳しい欧州市場で、まずは商用車での拡販を進めてFCVの乗用車普及に弾みをつける狙いがある。

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