「街宣車を押しかけさせたんだよね」青汁王子、“贖罪キャラ”の裏で新たな裁判

国内 社会 週刊新潮 2020年9月3日号掲載

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「贖罪キャラ」の裏で…

「青汁王子」こと三崎優太氏が法人税など1億8000万円を脱税し、東京地検特捜部に逮捕されたのは昨年2月のこと。結局、東京地裁で懲役2年執行猶予4年の有罪判決が言い渡されたが、以前にも増してメディアで持て囃されている有り様だ。

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 バブリーな生活から一転、焼き鳥屋やホストクラブで一時働き、さらには罪滅ぼしに100万円を180人に寄付などと吹聴する「贖罪キャラ」が世間受けしたのかもしれない。

 ところが、その贖罪キャラとは似つかわしくない裁判の渦中にあることはあまり知られていない。目下、ダイエットサプリ「B.B.B」などをネット通販する「アスクレピオス製薬」で経営権争いを繰り広げているのだ。

「反社とのかかわり」

 そもそも、三崎氏が青汁商品を扱っていたのは「メディアハーツ」という会社だった。その一方で、アスクレピオス製薬の株を3000万円で取得し、その6割を押さえる筆頭株主になっていたのである。

 アスクレピオス製薬の創業者である越山晃次前社長が明かす。

「三崎さんに株を譲渡したことで私自身の持ち分は4割になりましたが、会社の舵取りは変わらずに続けていました。逮捕から半年後の昨年9月に有罪判決が出ると、銀行から三崎さんが株主のままでは融資できないと通告された。そのため、三崎さん了承のもと、株主名簿上、その持ち分を私名義に変更したのです」

 しかし、青汁という収入源を失った身としては年商70億円を稼ぎ出すアスクレピオス製薬の実権を取り戻したかったのか、昨年12月、東京地裁に「株主権確認請求訴訟」を起こしたのである。続けて、株主総会の招集許可を求める仮処分を申し立てると、その言い分が通り、今年4月、株主総会を経て、越山前社長はお払い箱にされた。

「とはいえ、私の社長解任はあくまでも仮処分に基づくもので三崎さんが正当な株主かどうかの裁判は継続中です。私はその裁判で、三崎さんが反社とかかわりのある人物だと事前に承知していたら株の譲渡契約は結ばなかったとの“錯誤無効”を訴えています」

 一体、「反社とのかかわり」とは何か。

「街宣車を押しかけさせたんだよね」

 実は、株式譲渡から間もなく、三崎氏から「シエルに街宣車を押しかけさせたんだよね」と打ち明けられたという。シエルとは三崎氏が経営するメディアハーツのライバル会社。しかも、その商品名は「めっちゃたっぷりフルーツ青汁」で、メディアハーツの「すっきりフルーツ青汁」に酷似し、そのうえ、通販サイトも瓜二つだった。

「株を譲り渡す前から三崎さんは、シエルの丸パクリに、“ぶっ潰したい”“どう、嫌がらせをしようか”と、ずっと怒りを募らせていました。結局、右翼団体の街宣車を差し向けたわけですが、三崎さんは第三者を装い、“渋谷でブラック企業を叩いている右翼を撮った”とのタイトルで街宣車の映像もユーチューブにアップしていました」

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