“FG”を食べるたびに祖父を思い出す
宮澤 そういう誤解、多いですよね。“総理の孫あるある”的な都市伝説。たとえば通学時は車で送り迎えされていた、とか。
DAIGO 全然ないよね! 僕は普通に小田急線で通ってた。
宮澤 私は田園都市線。あと「ファミレスには行くんですか?」って聞かれたことも。デニーズ、しょっちゅう行ってました(笑)。セレブエピソードを期待されても、本当に庶民的な話しかなくて……。
DAIGO 僕も「車をもらったことは?」とか「インスタントラーメンは食べますか?」とか。車なんて買ってもらったことないし、インスタントラーメンは普通に大好きで食べてた。僕は中学受験をして私立の学校に通っていたんだけど、そこには大企業の社長令嬢みたいなお金持ちが何人もいてね。セレブって、ああいう人たちのことを言うんだと思った。
宮澤 そうですよね。
DAIGO ただひとつ、これは“あるある”かもしれないけど、小学3年生の時に祖父の家で“FG”を食べた。いわゆるフグ(笑)。小3ではちょっと早いもんね。
宮澤 私もFGは祖父のところで食べました。「今年もフグが届いたからエマちゃんおいで」って。でも亡くなった途端に、フグも松茸も一切届かなくなっちゃった。
DAIGO そう! それで、フグってなかなか食べられないもんなんだって初めて知ったよ。いまでもたまにフグを食べると、おじいちゃんのことを思い出すなあ。
宮澤 あと、よく聞かれるのが「自民党からのお誘いは?」とか「出馬要請は?」という、選挙がらみの質問。お誘いはまったくないです!
DAIGO 僕も42年間生きてきて、オファーはただの一度もない(笑)。そもそもそんな簡単な世界じゃないからね。それこそ僕なんか、音楽をはじめすべてを手放す覚悟で飛び込まないと無理だろうし、何より向いてない。
宮澤 祖父を支持してくださっていた方から、「ミュージカルがお好きなのはわかりますが、いまこそ宮澤さんに国を変えていただきたい」みたいなメッセージを頂戴することもあります。でも、私は祖父から何も受け継いでいないので申し訳なくて。
DAIGO 宮澤(喜一)さんもうちの祖父も、国を良くしようという高い志を持って、命がけで政治をやってきた人たちだもんね。ノリでやれるほど甘い世界じゃないよね。めちゃくちゃ忙しいし、プレッシャーもハンパない。
宮澤 母は昔、祖父に「こんなに家庭を顧みられないなら、家族や子どもを持つべきではなかった」と抗議したことがあったそうです。授業参観にも来てくれたことがないと言っていました。それくらい仕事一筋だったんでしょうね。
DAIGO 僕が印象に残っているのは、おじいちゃんが総理大臣の時に導入した消費税。それまで0%だったものが3%になるわけだから、世間の理解だって簡単には得られないよね。僕のところにもクレームが来たくらいだから、本人は大変だったんじゃないかな。
宮澤 DAIGOさんが小学生の時ですよね?
DAIGO そう。小学生にとって、駄菓子屋さんで100円ジャストにお菓子をまとめるのは重要な問題なんだよね。それが消費税のせいで計算が難しくなったって友達に軽くバッシングされて。「後々必要になるらしいよ」って伝えはしたけど。(笑)
宮澤 私は大人になってからですが、「あの時はおじいさまにお世話になりました」と挨拶されることがよくあります。一体どうお返事するのが正解なのか、いまだにわかりません。(笑)