僕以外にどこに需要があるのかわからない索引づくり企画
今回の索引づくりは国際宗教研究所の『現代宗教2017』から、寺田喜朗「日本会議と創価学会」をチョイスしました
いわゆる日本会議本がブームになった直後の論文ということもあり、日本会議本のつくりだした虚像を剥ぎ取り、日本会議の本当の姿を探ろうと試みがなされています
なお、寺田喜朗さんは日本会議本について"学ぶところは大変多かった"(103ページ)とも述べており、その価値を否定しているわけでない点は申し添えておきます
また、この論文では、創価学会についても同様に、その実像に迫っています
超絶面白い論文ですので、是非、国際宗教研究所↓からダウンロードしてみてください
なお、付記しているページは『現代宗教2017』に準拠しています
あ
青木理(ジャーナリスト)は案外スゴイ……のか?
・青木理の日本会議の評価(日本会議の実体はそこまで大きくない)……111,121
"青木のこの評価はまったく妥当だと思われる"
・青木理が神社本庁ならびに神道政治連盟(神政連)を過大評価している件について……111,112,115
・安東巌について……108
椛島有三の盟友。菅野完『日本会議の研究』では、日本会議の「黒幕」扱い
か
・椛島有三について……107,108
日本会議事務総長、日本青年協議会会長、日本協議会会長
け
元号法制化運動
・元号法制化運動について……108
>・元号法制化運動と日本青年協議会……108
日本青年協議会は地方議会決議運動を発案。キャラバン隊を派遣
>>・元号法制化運動で日本青年協議会がとった戦略……108
宗教右派に偏らず、幅広く協力をつのった
>>・元号法制化運動で日本青年協議会がとった戦略が、その後の「草の根保守運動」でもパターン化したこと……108
こ
公明党
公明党と政教分離
・国立戒壇の断念=政教分離宣言……117
>・創価学会の役職と公明党の兼務が禁じられる……117
>・公明党の綱領から宗教色が消える……117
公明党と創価学会
・公明党と創価学会が完全に一心同体というわけではないこと……102
>・創価学会員が必ずしも公明党に投票するわけではないこと……117,118
>>・公明党への投票数(1971~2013)……118
>>>・2000年代以降の公明党は、常に700万以上の得票……118
公明党と自民党
・公明党と自民党……116
>・自民党経世会と公明党の親和性……119
>・自民党清和会と公明党……119
・自民党と公明党の力関係……120
>・"公明党・創価学会が切れる最大のカードは選挙協力であり、このカードを封じられたとき、公明党はまったく身動きが取れなくなる"……120
・公明党の優先事項は「与党であること」(自民党から足元を見られる)……120,122
>・公明党の政策決定への影響力は限定的……120
公明党と自民党の選挙協力
・自民党と公明党の選挙協力……119,120
>・自民党にとって公明党と組む旨み……120
"1 選挙区あたり学会票は 25,000~30,000 前後"
>・公明党にとっても自民党の協力が必要……119
"自公協力によって公明党は 10 議席程度確保していると言われる"
>・自民党との選挙協力は、創価学会員にとってかなりの負担……122
し
神社本庁
・神社本庁について……111,112
・神社本庁は全国の神社の大部分を傘下にしていること……113
・神社本庁の設立経緯……112
神社本庁の資金力と動員力
・"神社本庁が「けた外れの動員力と資金力」「日本の宗教界でも比類のないほどのパワー」というのは言い過ぎではないだろうか"……114
・神社の収益源……113,114
『週刊ダイヤモンド』(2016年4月16日号)より
>・戦前は「神社非宗教論」だったため、「戦前回帰」すると宗教的祈祷(神社界の収入源)ができなくなる……125
>・神社界の収入規模は創価学会と比べるとかなり小さい(つまり神社本庁も……)……114
>>・多くの神社が経営に困っている……113
自活可能な神社は約1,000 社に過ぎず、たいていが兼業。しかし別表神社と呼ばれる約 300 社はお金に困っていない
・神社本庁の動員力……114,115
>・神社本庁の動員力は"決して「圧倒的」「けた外れ」とは言えない"……115
神社本庁の組織形態
・神社本庁が上意下達のガバナンス機構をもたないことについて……112
※この点は、僕とは見解が違います。本来は上意下達の組織でないはずが、打田文博や田中恆清といった現在の神社界トップ層の支配体制によって、変質しかかっていると僕は見ています。近年の「神社本庁」絡みのゴタゴタは変質が生み出した混乱かと
>・神社本庁による全国の神社を対象にしたアンケート調査でも、上意下達の組織にしては回収率が悪いこと……113
>・神社本庁に氏子を強制する力はない(協力を求めることはできる)……123
神社本庁の虚像
・神社本庁に注目したケネス・ルオフの論考……121,122
>・ケネス・ルオフの論考を読んだ者にありがちな「誤読」……122
アメリカにおける「キリスト教連盟」と日本における神社本庁を同じように見てしまう
>>・「キリスト教連盟」……121,125
アメリカの右翼
神道政治連盟
・神道政治連盟(神政連)について……111,112
す
・菅野完『日本会議の研究』の「出版差し止め」を日本会議が求めた理由……110
ひとつの団体(日本青年協議会)が目立つと日本会議内の他団体との「協働」がしにくくなる
>・菅野完『日本会議の研究』の「出版差し止め」(2016.1)……125
東京地裁は原告が指摘した6ヵ所中1ヵ所の主張を認め、販売差し止め
せ
・政治家が神社界と接近する理由……115
生長の家
・「生長の家」について……107
・「生長の家政治連合(生政連)」について……107
・「生長の家」が政治運動から撤退したことについて(1984)……104
・「生長の家」学生組織の主なOBたち……107
・「生長の家」(第三代総裁時に穏健化)を追われた原理主義者たちについて……107
そ
創価学会
・創価学会という組織……123
・創価学会の現在(会員数等)……116
>・創価学会という組織の巨大さ……119
・創価学会=700万票。圧倒的動員力……120
>・動員力等は創価学会の方が日本会議より圧倒的に上……122
・創価学会の「総体革命」について……116
・創価学会関連メディア……116
・創価学会はやはり婦人部が強い……125
創価学会の前身
・創価教育学会について……116
戦後の創価学会
・戦後の創価学会の大まかな流れ……116~117
・現在の創価学会の起点……116
戸田城聖の第二代会長就任、「折伏大行進」宣言
>・創価学会の折伏大行進について……117
・戦後創価学会の出発点が日蓮正宗だったこと……116
>・日蓮正宗の教え(石山教学)……116,117
>・創価学会が日蓮正宗から破門される……117
・創価学会の戦後の躍進……116
>・創価学会のターゲット……116
創価学会の政界進出
・創価学会の政治進出……117
"当初は、「国立戒壇の建立だけ」が政治進出の目的であり、「衆議院には候補者を立てない」ことを宣言していた"
・創価学会が政界に進出した意図……125
・創価学会にとって選挙とは……117
創価学会と「安保法制」
・2015年の安保法制に抗議する創価学会員の姿が左派メディアで盛んに報道されるも、その実、創価学会・公明党の間ではたいして波風が立っていなかった……118,119
>・創価学会内メディアと「安保法制」……118,119
>・安保法制時、安倍晋三が(公明党ではなく)創価学会幹部に脅しをかけていた話……120
た
・谷口雅宣について……104
「生長の家」第三代総裁。反・日本会議
>・谷口雅宣が谷口雅春原理主義者を「生長の家」から追い出したこと……107
・谷口雅春について……107
・「谷口雅春先生の教えを学ぶ会」について……107
な
・長崎大学の「正常化」について……108
全国に波及→全国学生自治会連絡協議会の結成
に
日本会議の前身
・日本会議が「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が統合し発足したこと……103
・「日本を守る会」について……103
宗教者が中心
>・「日本を守る会」設立時の関係者たち……103,104
>・「日本を守る会」の弱点……109
指導者が多すぎる
・「日本を守る国民会議」について……104
>・「日本を守る国民会議」の役員たち……104
財界・学界・政界・宗教界などの代表・指導者など。なかには井深大(ソニー名誉会長)も
>・「日本を守る国民会議」の弱点……109
スローガンばかりで実務がお粗末
日本会議
・日本会議に関係する宗派・団体……104
・日本会議の役員……104
・日本会議の自己紹介……105
・日本会議の会員数と支部数、日本会議地方議員連盟の議員数、日本会議国会議員懇談会の議員数(青木理調べ、2016年段階)……105
・日本会議の基本方針……106
皇室崇敬、新憲法制定、自主独立、愛国教育の推進、国防強化、国際的地位の向上、伝統的家族観の尊重等
日本会議についての証言
・稲田朋美による日本会議についての証言。青木理のインタビューより……110,111
・古賀俊昭(東京都議)による日本会議についての証言。青木理のインタビューより……110
・玉川博己(三島由紀夫研究会・元日本学生同盟委員長)による日本会議についての証言。青木理のインタビューより……110
・松浦芳子(杉並区議会議員)による日本会議についての証言。青木理のインタビューより……110
日本会議の虚像
・日本会議だけが安倍政権を支えているのではないこと……102
・日本会議が会員数や加盟議員数を非公表にしている理由……110
大きな運動に擬態するため
・日本会議やその周辺の運動には、構成員の重複が多い(運動の大きさのわりに実体は小さいことについて)……109,110,111
・日本会議を過大評価している論者が多い……120,121
>・日本会議が"「安倍内閣を支配」「内閣ジャック」「政治支配」「権力の中枢に巣くって政策決定に大きな影響力を持っている」等と評価することは妥当ではない"……110
・日本会議が「戦前回帰への情念」を燃やしているとは考えにくい、という話……125
日本会議=右派のまとめ役
・日本会議は多種多様な右派をゆるやかに束ね協働させる役目……106
・日本会議も一枚岩ではない、という話……121
・日本会議という存在は実体がつかみにくく、"左翼というカウンターパートの存在によってはじめて輪郭が得られる構図がある"……122,123
・日本会議="実体よりもはるかに大きな国民運動に擬態し、多くの国民の声を代表しているように演出する(高性能プロジェクターのような機能を果たす)デバイス(device)を備えたヴィークル"……109
・日本会議が実体以上の運動ができる理由=椛島や日本青年協議会の実直な姿勢……109
>・多種多様な右派をまとめる日本青年協議会(日本会議の実務担当)の事務能力の高さ……107,109
日本協議会
・日本協議会とは……125
日本青年協議会の包括関連組織。会長:椛島有三
日本青年協議会
・「日本青年協議会」について
日本会議の事務局を担当。全国学生自治会連絡協議会のOBたちによってつくられる……107,108
・「日本青年協議会」の中心メンバーたち……108
生長の家の学生組織OBたちが主要
・「日本青年協議会」が運動のやり方を左翼から学んだことについて……108
・「日本青年協議会」の基本戦術パターン……109
・「日本青年協議会」の立ち上げた団体……108
年表(本文に出てきた年代)
1930
・「生長の家」が誕生……107
・「創価教育学会」設立……116
1945.12
・神道指令……112
1946
・「創価学会」の誕生(「創価教育学会」から改称)……116
1946.2
・「神社本庁」設立……112
1951.5
・戸田城聖が「創価学会」第二代会長に就任……116
1954
・「創価学会」が文化部を創設。政治進出の足掛かりに……116
1960
・池田大作が「創価学会」第三代会長に就任……116
1964
・「生長の家政治連合」が誕生……107
優生保護法改正を目指し結成
・公明党結成……117
1965
・参院選で「生長の家政治連合」が玉置和郎を全面支援。当選させる……107
1966
・「長崎大学学生協議会」が結成(長崎大学の「正常化」)……108
1969
・全国学生自治会連絡協議会(全国学協)が結成……108
1969~1970
・創価学会による言論出版妨害事件とバッシング→国立戒壇論を放棄=政教分離宣言……117
1970
・「日本青年協議会」結成……107,108
1974
・「日本を守る会」の設立……103
1977
・第一次宗創戦争……117
1978
・「元号法制化実現国民会議」発足……104
1979.6
・元号法の成立……108
1981
・「日本を守る国民会議」発足……104
1983
・「生長の家政治連合」の解散……107
自民党への失望から
1984
・「生長の家」が政治運動からの撤退を宣言……104,107
1985
・谷口雅春が死亡……107
1988
・公明党議員のスキャンダルが相次いで発覚→公明党議員の世代交代……118,125
1988.1
・田中富士男議員の受託収賄(公明党)……125
1988.11
・池田克也議員のリクルート未公開株問題(公明党)……125
1988.12
・矢野絢也委員長の不正株取引疑惑(公明党)……125
1990
・谷口雅宣が「生長の家」第三代副総裁に就任……107
・第二次宗創戦争……117
1991
・創価学会が日蓮正宗から破門される……117
1992.6
・PKO協力法……118
創価学会が大反対
1994
・小選挙区比例代表制の法案が成立……119
1997.5
・日本会議設立……104,105
1999
・周辺事態法・国旗国歌法・通信傍受法……102
1999.7
・自自公連立政権が誕生……116,119
2001
・テロ特措法……102
2002
・「谷口雅春先生の教えを学ぶ会」結成……107
2003
・イラク特措法……102
2005
・「日本協議会」が設立……125
2006
・改正教育基本法・防衛省設置法……102
2007
・国民投票法……102
2012.12
・第二次安倍政権誕生。公明党との連立政権……102,116
2013
・特定秘密保護法……102
2014
・創価学会が板本尊論を放棄……117
2014
・集団自衛権の行使容認(閣議決定)……102
2015
・安保法制……102
2016.1
・菅野完『日本会議の研究』の「出版差し止め」裁判により、販売差し止めが命じられる……125
2016.5
・「日本会議本」ブームがはじまる……103
2016.11
・『聖教新聞』に「創価学会仏」という謎の用語が登場……117